清水正孝社長「東電らしさを失ってはいけない」

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右から小森明夫常務、西澤俊夫新社長、清水正孝現社長、武井優副社長、廣瀬直己常務
右から小森明夫常務、西澤俊夫新社長、清水正孝現社長、武井優副社長、廣瀬直己常務 全 1 枚 拡大写真

辞任を表明した東京電力の清水正孝社長が20日の決算発表会見で、東電人生を振り返った。その中で「東電には変えてはいけないものと、変えなければならないものがある」と、次のように述べた。

「今回の原子力の事故もそうだが、台風など災害時でもまずはかけつける。地震においてもかけつける。ある意味では損得抜きでもかけつけて必死になって働く。そうしたロイヤリティ(忠誠心)は非常に高いものがあると、自負している」

電力の安定供給に向けた同社社員の姿勢を、清水氏は高く評価した。「電力を供給することに対する高い使命感、責任感。長い歴史を通じて築き上げてきた大切な宝物だと思う」。

その一方で、変えなければならない企業風土もあると自省した。

「地域のみなさま、お客様、さまざまなステークホルダー(利害関係者)がいる。そうした人への目線、マーケットイン(消費者重視)とでもいいましょうか、そうした考え方をややもすると失いがちなところがある。社内論理、自分の論理でいってしまう。プロダクトアウト(企業優先主義)とでもいうのか、そういう傾向がある」

ただ、こうした企業風土を清水氏は「何が何でも変えなければならない」ということで取り組んできたという。

「相手に対する目線、気配りができてきたなと思うが、まだまだ外に向けての目線の高さを時々ご指摘される。お客様指向をもっと徹底する必要があると思っている」

また、清水氏は自身が辞任し、4月にけじめ論に言及した勝俣恒久会長が留任することについては、こう説明した。

「トップである私が、けじめをとるということ。勝俣会長は原子力の事故の収束にむかっての問題に、責任をもって取り組むという選択をされたと理解している」

原子力・立地本部長の武藤栄副社長も辞任するが、これも「原子力立地の経営責任のけじめをつけるという意味で辞任する」とした。

新人事は6月28日開催の株主総会と総会終了後の取締役会で正式決定される。

《中島みなみ》

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