バス横転事故、心神耗弱で刑事責任は問えず

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今年2月下旬に広島県東広島市内の山陽自動車道下り線で発生し、11人が負傷した高速バスの横転事故について、広島地検は17日、バスのハンドルを奪って横転させた22歳の男性を不起訴とした。心神喪失状態で刑事責任は問えないと判断したという。

問題の事故は2011年2月26日午前0時ごろ発生している。東広島市河内町入野付近の山陽自動車道下り線を走行していた南国交通バスの運行する夜行高速バス(大阪発/鹿児島行き)が蛇行を繰り返した後、道路左側の路外に逸脱。そのまま斜面に乗り上げ、弾みで横転した。

この事故で乗客9人と乗員2人がいずれも打撲などの軽傷を負ったが、事故は客として乗車していた22歳の男性が運転を妨害したことが原因で発生したことが判明した。警察は男性を殺人未遂の現行犯で逮捕。警察や検察は慎重に捜査を続けてきた。

鑑定留置を行って精神状態を調べた結果、男性は精神障害の影響で極度の不安状態にあることが判明。バスのハンドルを奪うという行為は「被害妄想に支配されてのもの」と判断。「心神耗弱状態で刑事責任は問えない」として不起訴としたが、心神喪失者等医療観察法に基づき、病院への入院措置が取られている。

《石田真一》

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