トヨタ、バーチャル人体モデルを拡充…事故傷害の解析精度向上へ

自動車 テクノロジー 安全
トヨタ バーチャル人体モデル
トヨタ バーチャル人体モデル 全 2 枚 拡大写真

トヨタ自動車は6月8日、ダミー人形を使った衝突試験だけでは困難な事故傷害解析をコンピューター上で確認できるバーチャル人体モデルの種類を拡充した。

2010年に発表した『THUMS(サムス)Version 4』の新バリエーションとして小柄女性と大柄男性モデルを追加する。

THUMS Version 4は、大学など外部研究機関と連携しながら豊田中央研究所と共同開発した。高精度CTスキャンを使って人体の内部構造の形状を詳細に計測したデータを活用、内臓間の位置関係や連結状態までを精密にモデル化し、従来型の約14倍の情報量をもつ人体モデルをとした。この結果、衝突時の胸腹部の変形状況や、内臓の受傷メカニズムがより詳細に解明できるようになった。

これまでは179センチ相当の平均的な体格の成人男性モデルだけだったが、今回、身長153センチ相当の小柄女性モデルと189センチ相当の大柄男性モデルを追加した。既存のものと同様、乗員と歩行者の姿勢を模擬した2タイプを設定し、計6タイプとなる。

実際の衝突事故による体格差の影響を考慮し、より幅広い内臓傷害解析が可能となる。

今後は、高齢者モデルや子どもモデルも追加していく方針で、より実際の交通環境に対応した安全技術を開発していく。

同社は「交通死傷者ゼロ」に貢献するため、今後もTHUMSを活用して、車両衝突時の内臓傷害等を解析、シートベルトやエアバッグなどの安全装備の開発・改良に活用していく。

小柄女性と大柄男性モデルは、大学向けにはトヨタテクニカルディベロップメントを通じて、企業向けにはJSOLを通じて、今夏に発売する予定。

《レスポンス編集部》

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