ホンダの伊東社長は16日、『フィットシャトル』の発表会場で記者団に同社を含む自動車業界の生産回復が当初見込みを上回るペースで進んでいることについて「日本の製造現場の力強さが改めて認識できた」と評価した。
一方、円高や電力需給のひっ迫など、日本でのモノづくりを取り巻く環境悪化について「(政府や当局に)一番何とかしていただきたいのは為替の問題。産業界あげて復興に取り組んでいるが、(業績を左右する)最後のところで、この為替水準かという想いが強い」と話した。
電力の供給不足が長期化する懸念については「まずはこの夏を乗り越えることだ。その取り組みによって、中長期的な対応策も見えるてくる」とし、当面は休日シフトなどを実施する今夏の対策に全力で取り組む方針を示した。
東日本大震災で表面化した部品や資材のサプライチェーンの問題点については「1次の取引先の把握や複数発注には取り組んできたものの、2次、3次といったメーカーさんも含めた対策が課題として明らかになってきた」と指摘した。