【プジョー 508SW 試乗】後席・荷室にも空調が行き届く…青山尚暉

試乗記 輸入車
プジョー508SW(パリモーターショー10)
プジョー508SW(パリモーターショー10) 全 6 枚 拡大写真

プジョー『407』の後継車が『508』。なんで408じゃないかと言えば、新興国向けに408があり、より上級に位置づけられた新シリーズだから、である。

今回試乗した「SW」と呼ばれるワゴンボディは、次世代プジョーの顔つきとスタイリッシュさ極まるインターナショナルなデザイン。セダンより伸びやかなプロポーション、そしてプジョー史上、最上と言えるかも知れない内外装の質感の高さが特徴だ。
 
エンジンはダウンサイズの流れに乗った1.6リットルターボ。サイズアップに対して徹底的に軽量化されたとはいえ、1.5t強のボディを余裕たっぷりに加速させる…とは言い難いが、動力性能は必用十分だ。

もし、フランス車、プジョーらしい「猫足」な乗り心地を期待するなら、17インチタイヤのグリフではなく、16インチタイヤを履くベースグレードのアリュールを薦める。ほぼ同時に発売されたシトロエン『C4』は17インチより16インチタイヤのほうが硬い乗り心地を示したものだが(トレッド面が硬い転がり抵抗重視のエコタイヤだから)、こちらは順当に16インチタイヤのほうが乗り心地がいい。それでも安定感は素晴らしく、乗り心地と快適感の両立は見事というしかない。

ところで、ペットとドライブするにも508のSWと呼ばれるワゴン版は格好の選択となり得る。

荷室開口部フロア高は615mmと、中大型犬なら乗降しやすい高さ(650mmを越すと大型犬でも乗降が困難になりやすい)。開口部からフロアの段差も最小限。そこに大きな段差があると乗降時に足をくじきやすいのだ。荷室とキャビンを仕切る、「ドッグネット」と呼びたいパーテーションネット完備の荷室スペースは奥行き1040mm、幅1120mm、高さ780mm(荷室中央)と広大。

しかも、だ。エアコンは後席でも左右別々に温度&風量設定ができるフルオートの「4ゾーン」タイプ。つまり後席はもちろん、荷室部分にも冷風が届きやすい(吹き出し口を上に向ければいい)。

そう、後席や荷室に乗った愛犬も1年中、暑さ、寒さ知らずで快適に過ごせるというわけだ。もちろん、「猫足」と表現できるしなやかな乗り心地も愛犬に優しい。

■5つ星評価
パッケージング:★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★
フットワーク:★★★★
ペットフレンドリー度:★★★★

青山尚暉|モータージャーナリスト
自動車雑誌編集者を経て、フリーのモータージャーナリストに。自動車専門誌をはじめ、一般誌、ウェブサイト等に執筆。オーディオ評論、ペット(犬)、海外旅行関連のウェブサイトも手がける。

《青山尚暉》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 【スズキ ソリオ 新型試乗】乗り心地と静粛性はクラストップ、だが「損をしている」と思うのは…中村孝仁
  2. サブコンが再評価される理由と純正ECU時代の新常識~カスタムHOW TO~
  3. 日産 リーフ 新型を発表、第3世代は航続600km超のクロスオーバーEV
  4. 伝説のACコブラが復活、「GTロードスター」量産開始
  5. 日産 リーフ 新型の価格を予想する!…ベースは400万円台前半か
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. BYD、認定中古車にも「10年30万km」バッテリーSoH保証適用
  2. 三菱が次世代SUVを初公開、『DSTコンセプト』市販版は年内デビューへ
  3. 低速の自動運転遠隔サポートシステム、日本主導で国際規格が世界初制定
  4. 米国EV市場の課題と消費者意識、充電インフラが最大の懸念…J.D.パワー調査
  5. 独自工会、EV減速でPHEVに着目、CNモビリティ実現へ10項目計画発表
ランキングをもっと見る