震災被害甚大地域、1920社が事業継続の見通し立たず

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宮城県女川町(6月)
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帝国データバンクは、東日本大震災で「津波の被害が特に大きかった地域」と「原発事故による立入禁止区域・計画的避難区域」に本社のある5004社のうち、集計可能な4280社を対象に震災後の活動状況、今後の事業継続方針について現地で聞き取り調査を行った。

調査期間は6月6日~30日まで。現地での聞き取り調査は今回が初めて。

岩手、宮城、福島の企業数は5万9156社で、うち沿岸部の市区町村には1万9855社が存在する。同市区町村の中でも津波や原発被害が大きい「被害甚大地域」に5004社が所在することが判明した。

「被害甚大地域」にある企業の市区町村別では宮城県石巻市の989社が最多で、仙台市宮城野区が381社が続いた。業種別では建設、診療所、ガソリンスタンドなどが目立った。

集計可能な4280社の震災後の活動状況をみると「事業再開」が過半数を占めるものの、「事業休止中」や「実態判明せず」を合わせた実質営業不能状態の企業が地域全体の4割となる2070社にものぼる。

集計可能な4280社の今後の事業継続方針を確認したところ、「事業継続意向」が全体の55%にとどまり、「未定・検討中」、「廃業の予定」「、調査不能」が45%で、1920社が事業の継続見通しが立たない状態。今回の調査結果から被災地企業の厳しい状況が浮き彫りとなった。

同社の聞き取り調査では、個々の企業からも「現在は休業している。早く家に帰りたい。東電の100万円の仮払金だけでは何もできない。原発問題の解決がないかぎり事業は再開できない」(福島県、建設)などの声や、「工場は水没し、自宅を事務所代わりにしている。自力再建できる企業はたくさんあると思うが、行政の対応が後手後手で足を引っ張っている」(宮城県、建設)など、悲痛な現状を訴える声が多かったとしている。

沿岸部だけでも、実質営業不能状態の企業が少なくとも2070社あるが、現在判明している東北3県の震災関連倒産31社の約70倍で、「倒産判明はあくまで氷山の一角」との見方を裏付けている。

今後、復旧・復興までの期間が長引くほど、これらの企業が先行き見通し難から事業継続を断念し、倒産手続きに移行する可能性は高く、関連倒産の件数が急増する可能性もあると指摘する。

《レスポンス編集部》

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