ホンダの子会社で太陽電池の製造・販売を手がけるホンダソルテックの数佐明男社長は13日、同社が採用しているCIGS薄膜太陽電池に台湾や韓国メーカーが進出することについて「そんなに簡単に追い付いてこれない」との考えを明らかにした。
数佐社長は同日、都内で行われたホンダのホームパワージェネレーション説明会で、一部報道陣に対し語った。CIGS薄膜太陽電池は銅・インジウム・ガリウム・セレンの化合物を素材とした薄膜で形成された太陽電池で、シリコンなどの結晶系太陽電池に比べて低コスト高性能なのが特徴。
数佐社長によると、これまでシリコンを使った結晶系の太陽電池を製造していた台湾や韓国のメーカーが、中国メーカーによる低コスト化で採算が合わなくなり、CIGS薄膜太陽電池に進出し始めているという。
こうしたライバルの出現に対し数佐社長は「ライバルが増えても、今先頭を走ってるんで、そんな簡単に追い付いてこれない」と明言。
その理由として「我々は開発エンジニアと生産エンジニア、製造現場が一緒になってやっている。これは自動車会社では当たり前だが、半導体の業界は研究所はあっても、工場が別会社だったり、製造を委託したりしている。だから、技術開発が遅い。実際に量産ラインを引いて、そこで培った現場力、製造プロセスをどやって改善していくかが大事」と述べた。