トヨタ自動車は21日、東富士研究所(静岡県裾野市)でメディア向けの安全技術取材会を開き、前方の車両や歩行者への衝突回避を支援する新たなプリクラッシュセーフティ(PCS)システムなどを公開した。
同システムは、40km/hの走行状態でも自動ブレーキの作動により、車両や歩行者などへの衝突を回避する。車両などの検知はミリ波レーダーとステレオカメラによって行う。
さらに、「近赤外線投光器」をヘッドランプ内に装備しており、夜間に作動させることで、通常では難しい夜間の歩行者検知もできるようにした。
製品企画本部長の加藤光久専務役員は、このシステムについて「技術の鍵はセンサーであり、歩行者も含めあらゆる状況に対応できるよう開発を進めている」と語った。同日公開の試作システムはレクサスの『LS』に搭載した。
ただ、商品化の時期や搭載車種などについては公表しなかった。自動ブレーキによる衝突回避システムは、日本メーカーでは富士重工業(スバル)が「アイサイト」として市販に踏み切っているほか、日産自動車も昨年8月に技術を公開している。今後、より分かりやすい安全技術として、普及が本格化する見通しとなってきた。