サイクリングやポタリングのガイド役にぴったり…自転車NAVITIME

自動車 テクノロジー カーナビ/カーオーディオ新製品
サイクリングやポタリングのガイド役にぴったり…自転車NAVITIME
サイクリングやポタリングのガイド役にぴったり…自転車NAVITIME 全 13 枚 拡大写真

ついに登場した自転車専用ナビアプリ

かねてからの健康志向に最近のガソリン高騰も重なり、自転車が人気だ。通勤通学はもちろん、レジャーとして楽しむ人も急増している。そしてNAVITIMEからは、ついに自転車専用のナビアプリ「自転車NAVITIME」が登場した。iPhone向けで、価格は350円とリーズナブルだ。

NAVITIMEといえば月額制の有料サービスで乗り換え案内やナビゲーションを提供しているが、この自転車NAVITIMEは購入時に350円を支払うだけで全ての機能を利用でき、NAVITIMEの会員になる必要はない。もちろん月額料金も不要で無期限で利用できるため、気軽にインストールできる。つまり、既存のNAVITIMEのサービスから独立したアプリといえるのだ。

では、すでにNAVITIMEの会員であっても自転車でナビを使いたければ、新たに自転車NAVITIME購入しなければならないのかというと、そうではない。従来からあるiPhone版NAVITIMEアプリ、Android版NAVITIMEアプリでも、自転車向けのルート検索ができるようになったので、そちらを利用すればいいのだ。一部の機能を除いて自転車NAVITIMEとほぼ同じことができる。

また、パソコン向けWEBサイトのNAVITIMEにも「自転車ルート検索」が新設された。パソコン上で出発地、目的地を入力し、自転車向けに特化したルート検索をすることができる。駐輪場やレンタサイクルの検索も可能だ。この機能は誰でも、つまり、NAVITIME会員でない人や、自転車NAVITIMEを購入していない人でも利用できる。アプリを購入する前に、どんなルート検索ができるか試してみることも可能だ。

◆5種類のルートを同時検索

自転車NAVITIMEを起動すると現在地の地図が表示され、画面上部に目的地を検索するための入力ボックスがある。さっそく、目的地を入力してみよう。入力できるのは施設名称、駅名、住所、電話番号、郵便番号などで、全て同じボックスに入力する。

住所を入力すると、候補一覧としてその住所近辺のお店や施設の一覧が表示された。お店を探すには便利だが、自宅など一般の住宅を探すのはちょっと苦手だ。また、「公園」などと入力すると何百キロも遠方の公園ばかり検索されてしまうが、「公園 世田谷区」のように地名を付けることで解決する。

目的地が見つかったら次はルート検索。実はここがカーナビとも徒歩ナビとも違う自転車ナビの真骨頂で、5種類のルートが検索される。「距離が短い」、「坂道が少ない」、「坂道が多い」、「大通り優先」、「裏通り優先」の5種類だ。

自転車では坂道の影響が非常に大きく、なるべく早く目的地に行きたい場合でも、最短ルートよりも坂道を避けたルートの方が速いことがよくある。また、交通量の多い大通りよりも裏通りのほうが快適といったことも少なくない。この5種類のルートはまさに自転車向けだ。

「坂道が多い」ルートはなんのためにあるのかと思う人がいるかも知れないが、むしろこれこそが、さすがNAVITIMEと思わせるところ。ダイエットやトレーニングのために自転車に乗っている人なら、敢えて坂道をたくさん走りたいからだ。

ルートが決まったら走りだす。地図表示と音声のよるガイドは基本的にカーナビや徒歩ナビと同じだ。面白いのは、画面にスピードメーターが表示されること。自転車ナビならではの機能だが、たしかにこれは便利だ。なお、安全のために走行中は一切の操作ができないようになっている。これは徒歩ナビと大きく違う点だ。

ところで、このアプリを使うとき、自転車にiPhoneをどうやって固定するか困ってしまう人も多いだろう。自転車用のiPhoneマウントケースが沢山市販されているので、それを使うのが一番いい。しかし、そこまで本格的でなく、ちょっと使ってみたいという程度なら、自転車NAVITIMEのポケットモードを使うといい。ポケットモードは、iPhoneの近接センサーを利用し、iPhoneがポケットに入ったと認識すると画面を消して消費電力を減らす。もちろん音声案内はそのままだ。

実際にポケットモードで使ってみたが、意外と好印象。ポケットから出すだけで画面が復帰するのはかなり便利だ。正直、使いものにならないと思っていた音声案内も意外と実用になる。もっとも、時々画面を見てコースを把握しておく必要はあるが、それで十分だとも感じだ。信号待ちでちょっと確認すれば済むことだし、自動車と違って間違えたらどこでもすぐにUターンできるので安心感がある。

◆シンプルながらユニークな機能も

難しいことを考えずに気軽に使うのがこのアプリのコンセプトのようで、機能は極めてシンプルにまとめられている。ただし、特徴的な機能がふたつある。

ひとつは「ドーナツサーチ」。いわゆる周辺検索なのだが、近すぎるエリアからは検索しない。つまり、指定したポイントから3キロ以上8キロ未満の距離といった、ドーナツ状のエリアからスポットを探す。もちろんドーナツの大きさは変更可能だ。

自転車で走るときに「今日は10キロ以上走る」といった目標を立てることはよくあるが、そんなときにドーナツサーチを使えば、片道5キロ前後にある目的地を効率よく探せるというわけだ。一定の距離を走りたいが同じコースばかりではつまらないという人にうってつけの機能と言える。

ドーナツサーチで検索できるスポットは特に決まっておらず、通常の目的地検索と同じようにキーワードを入力して探す。初期設定ではなぜかカフェが検索されるようになっているが、カフェ以外を検索するときは「カフェ」というキーワードを消して新たにキーワードを入力するのだ。

もうひとつの機能は「おすすめスポット」だ。NAVITIMEの検索ランキングデータを元に現在地の半径20キロ以内にある人気スポットを表示してくれる。これもサイクリングの行き先を決めるのに便利な機能だ。

おすすめスポットで見つかるスポットは実にバラエティ豊か。観光施設もあれば、人気のカラオケ店もあるといった具合だ。意外なスポットが見つかることも多いので、ポタリング(自転車による散歩)の目的地探しに使えそうだ。

◆唯一無二のアプリだけに、今後に期待したい部分も

自転車専用のナビアプリはもちろん初めての試みだろう。それだけにこのアプリは使って楽しく、実用的でもあって、登場直後から人気が高いのもうなずける。

ただ、新ジャンルだけにいろいろな難しさがあるのも事実。例えばナビゲーションで、とても横断できないような大通りを横断させるルートが時々ある。つまり、道路の左側にいるときに右折させられたり、あるいはその逆だ。カーナビなら右折、左折でこのような問題は発生しない。徒歩ナビでは同じ問題が起きるが、歩きながら前方のルートを確認しておけば、事前に信号交差点で横断するなどの対策ができる。

ところが、自転車ナビの場合は走行中は操作ができないので、ルートの確認はおろそかになりがち。そのため、右折、左折するポイントまで来てから事態に気が付き、信号交差点まで引き返すといったこともある。

また、気軽に使えるコンセプトで機能を絞り込んでいるが、あるともっと便利に使えるのに、と感じる部分があるのは確か。例えば目的地を登録する機能がないため、同じ場所に毎日行きたい場合でも、その都度住所などを入力しなければならない。せめて、履歴機能や自宅を登録する機能は欲しかった。

また、ポタリングで使うときは目的地を設定せずに、自由に走りまわりながら現在地を確認したいのだが、このアプリは目的地を設定しないとiPhoneの省電力設定が適用され、画面が消えてしまう。

これについてはじつは裏技があり、便宜的に目的地を設定してから一時停止させると、画面が消えずに常に現在地が画面の中心になるように地図がスクロールする。このような裏技でできることなので、「フリー走行モード」のようなボタンをぜひ付けて欲しい。

機能を絞り込んだことそのものは正しい判断といえる。自転車用のアプリというと走行距離や平均速度、走行ルートの保存といった機能がすぐに思い浮かぶが、そういったアプリはすでにたくさんあるのだ。それらのアプリはアスリートが使うトレーニング用といった方向性だが、もっと手軽な方向性をめざした自転車NAVITIMEは、自転車の楽しさを倍増させてくれる。

なんと言っても350円買い切りというのも大きな魅力。無期限で利用できると言うことはバージョンアップを待って買うという必要もない。ユーザーが増えれば新たな楽しみ方も増えるはず。今後も機能を肥大化させることなく、ポイントを付いた機能アップを期待したい。

《山田正昭》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 伝説のACコブラが復活、「GTロードスター」量産開始
  2. トヨタ『ランドクルーザー300』初のハイブリッド登場!実現した「新時代のオフロード性能」とは
  3. ようやくですか! 新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』日本仕様初公開へ…土曜ニュースランキング
  4. 「三菱っぽくないけどカッコいい」ルノーの兄弟車となる『エクリプス クロス』次期型デザインに反響
  5. 【BYD シーライオン7 新型試乗】全幅1925mmの堂々サイズも「心配無用」、快適性はまさに至れり尽くせり…島崎七生人
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 低速の自動運転遠隔サポートシステム、日本主導で国際規格が世界初制定
  2. 独自工会、EV減速でPHEVに着目、CNモビリティ実現へ10項目計画発表
  3. 三菱が次世代SUVを初公開、『DSTコンセプト』市販版は年内デビューへ
  4. 「やっと日本仕様が見れるのか」新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』ついに上陸! 気になるのはサイズ?価格?
  5. 米国EV市場の課題と消費者意識、充電インフラが最大の懸念…J.D.パワー調査
ランキングをもっと見る