【シボレー キャプティバ 試乗】これまでのアメリカンSUVとは違う…青山尚暉

試乗記 輸入車
シボレー・キャプティバ。全長が短めの凝縮された力強いスタイリング
シボレー・キャプティバ。全長が短めの凝縮された力強いスタイリング 全 8 枚 拡大写真
シボレーの新ミッドサイズSUVが『キャプティバ』だ。デザインはGMの北米と韓国、メカニズムはGMの北米とオーストラリア主導で開発された世界戦略車である。

どこかホンダ『CR-V』を思わせるボディは全長4690mm×全幅1850mm×全高1790mm。ホイールベースは2710mm。日本車で言えばトヨタ『ハリアー』に近い。ただし、こちらは3列シートで定員は7名だから、トヨタ『ヴァンガード』がライバルになるかも知れない。

駆動方式は電子制御AWD。状況によって前後100:0〜50:50の駆動配分を行う。エンジンは新開発の2.4リットル、167ps。6ATと組み合わされる。タイヤは韓国製の235/50R19サイズだ。

運転席の乗降性や視界は文句なし。ただ、メーターは素っ気なくシンプルすぎる印象だ。2列目席の乗降性も悪くない。着座すればシアターフロアによって視界は爽快。さすがに3列目席があるため居住空間にゆとりはないものの、決して窮屈じゃない。3列目席は2列目席のタンブル格納で乗降。その間口は広大で乗り降りは意外なほど楽々。大人でも短距離なら不満なく乗っていられる、ヴァンガードより圧倒的にゆとりある居住空間だ。ただし、後席用エアコン、拭き出し口の設定はない。

3列目席使用時の荷室は奥行き300mm以下と狭いものの(97リットル)、3列目席を格納すれば奥行きは1000mm前後まで拡大。十分な容量が確保される(477リットル)。アウトドアグッズはもちろん、ペット用のクレートも余裕で載るはずだ。

そんなキャプティバの走りはアメリカンSUVの以前の常識とはちょっと違うテイストだ。乗り心地はシャキッとしたフラット感が基本で、姿勢変化も最小限。快適で酔いにくい。動力性能はエコモードをONにしていても1.8tものボディをスルスル軽快に加速させる実力の持ち主だ。エンジンは高回転が苦手だが、少なくとも今回走った街乗りや高速巡航シーンではまったく不満はなかった。

しかも巡航時の静粛性は高く、絶妙なアクセルレスポンスによって走りやすさは抜群。慣れてくると実際のボディサイズより小さく感じられるほど。ただ、最少回転半径は約5.9mと大きく、小回りは効かない。

嬉しいのは価格設定。充実した安全安心装備を持ちながら354万円とは、まさしく円高バーゲンプライスだろう。

■5つ星評価
パッケージング:★★★
インテリア/居住性:★★★
パワーソース:★★★
フットワーク:★★★★
ペットフレンドリー度:★★★

青山尚暉|モータージャーナリスト
自動車雑誌編集者を経て、フリーのモータージャーナリストに。自動車専門誌をはじめ、一般誌、ウェブサイト等に執筆。オーディオ評論、ペット(犬)、海外旅行関連のウェブサイトも手がける。

《青山尚暉》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 「本当に世に出るとは」車重わずか1トンで800馬力V12、「超アナログ」スーパーカー…新型車記事ランキング 8月
  2. さらなる人馬一体へ!NDロードスター用「リビルトエンジン」発売、価格は65万7800円
  3. ホンダ『フリード』がニューレトロに!? ダムドが専用ボディキットのデザインを先行公開 発売は2025年冬
  4. メルセデスベンツ『Gクラス』、オープン「カブリオレ」復活へ
  5. マツダの新型SUV『EZ-60』すでに4万台の予約殺到! SNSでは「マツダ復権か??」「日本でも売るべき」など話題に
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
  3. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  4. SUBARUの次世代アイサイト、画像認識技術と最新AI技術融合へ…開発にHPEサーバー導入
  5. 「ハンズオフ」は本当に必要なのか? 高速での手離し運転を実現したホンダ『アコード』を試乗して感じた「意識の変化」
ランキングをもっと見る