ツインエアの進化---ガソリン機関の可能性をフィアット技術者が語る

エコカー ハイブリッド
ハイブリッド
ハイブリッド 全 3 枚 拡大写真

2気筒となったことでエンジン長が抑えられ、横置きFFでもエンジンルームにはスペース面での余裕が生まれたフィアット『500ツインエア』。FPT社では、純粋なガソリンエンジン車だけでなく、モーターを追加したハイブリッド車も開発を続けていると言う。

それはデュアルドライクラッチを採用したAMTと組み合わされたストロングハイブリッドで、現在のツインエアと比べCO2排出量を20%も削減できるそうだ。

生産技術部門ガソリンエンジン担当チーフエンジニアのヴィットリオ・ドリア氏によれば、「すでにNA版ツインエアの65psバージョンに20kWのモーターを組み合わせた試作車は完成しており、様々なテストを続けている状態です」とのこと。

しかし、同社はEVやハイブリッドの本格普及にはまだ慎重な見方をしており、欧州ではハイブリッド化によるコスト増をユーザーが受け入れてくれるようになるには、まだ時間がかかると予測している。

それよりも現実的な手段としてFPT社が着目しているのはCNG(天然ガス)を燃料とした仕様だ。これはタクシーのようにガソリン車をベースに仕様変更したもので、エネルギーは若干低いものの、燃焼してもCO2の発生が少ないCNGを使うことでツインエアの場合でもさらに20%もCO2を削減できるそうだ。

ガソリンとCNGのバイフューエル仕様でも12%のCO2を削減できると言う。欧州のCNG車で80%ものシェアを占めているフィアットだけにFPT社のノウハウは相当なものだ。

またインフラ整備や水素製造時のCO2排出量の問題は残るものの、依然として水素は内燃機関や燃料電池の燃料として期待できると言う。現在はCNGと水素を混合させた燃料も研究しているそうだ。

日本ではトヨタ『プリウス』、ホンダ『インサイト』によってハイブリッド人気が高いため、フィアット500にもハイブリッドが設定されるのなら、と早期の登場を期待してしまいそうになるが、ドリア氏は「ガソリンエンジンにはまだまだ改善の余地は残っており、FPT社はあらゆる技術でそれぞれの市場に対応していく方針です」と語ってくれた。

《高根英幸》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. トヨタ『ハリアー』6年ぶりのフルモデルチェンジへ…注目ニュースベスト5 2025年上期
  2. 日産の高級部門インフィニティ、3台の新型コンセプトカーを世界初公開へ…モントレーカーウィーク2025
  3. エアレスタイヤ搭載でペダルもなし、免許不要の特定小型原付「Future smart」発売
  4. トヨタ『ハリアー』6年ぶりのフルモデルチェンジへ...ワイド&ローのフォルムに注目だ!
  5. BMW『3シリーズ』が50周年! 日本だけの限定車発表に、SNSでは悲喜こもごも?
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
  3. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  4. SUBARUの次世代アイサイト、画像認識技術と最新AI技術融合へ…開発にHPEサーバー導入
  5. 「ハンズオフ」は本当に必要なのか? 高速での手離し運転を実現したホンダ『アコード』を試乗して感じた「意識の変化」
ランキングをもっと見る