【池原照雄の単眼複眼】停まる前に止まるアイドルストップ…ダイハツ イース

自動車 ニューモデル 新型車
ダイハツ・ミライース
ダイハツ・ミライース 全 12 枚 拡大写真

既存の『ミラ』から約4割の燃費改善

30km/リットル(JC08モード)というガソリン車最高燃費を引っ提げてダイハツ工業の『ミライース』が登場した。30km/リットルという数値は、パワートレインの改良や車両全体の軽量化、新型アイドリングストップ装置の採用など、あらゆるアプローチの結晶だ。

【画像全12枚】

これらのなかで、新アイドルストップは車速が7km/hに達するとエンジンを停止するという世界初の技術を実用化しており、興味を惹かれた。9月20日のミライース発表当日に一般道を30分ほど試乗する機会があり、気が付くともっぱらその作動状態をチェックしていた。

ミライースは既存モデルの『ミラ』(CVT搭載、アイドルストップなしのタイプ)に比較して約40%もの燃費改善となった。このうちエンジン・CVTといったパワートレインの改良・制御最適化が18%であり、全体の寄与度の半数近くを占める。

◆車速7km/hでエンジンが止まる

次いでアイドルストップが10%ポイントとなっており、寄与度は4分の1。軽量化ではミラより約60kgもの重量削減を行ったものの、燃費改善への貢献は5%ポイントとアイドルストップの半分となっている。ただし、アイドルストップはコストや重量のアップにつながるので、それらを補う軽量化は燃費だけでは測れない貢献度をもっている。

さて、注目の新アイドルストップだがブレーキを踏んだ状態で車速が7km/h近辺になるとエンジンをストップさせる。上り坂などでのドライバーの意思に反したエンストを防ぐため、ブレーキを踏んだ状態でないと効かないようになっている。

試乗車(量販グレードの「X」=99万5000円)のスピードメーターはデジタル式だったので、アイドルストップが効く車速をチェックするのには好都合だった。クルマが停止する相当前にエンジンが切れるのだろうと想像していたが、7km/hという速度は、ほとんどクルマが停止する直前のわずかな瞬間でしかなかった。停車まで1秒前後くらいだろうか。

車速を落とし、アクセルもブレーキも踏まない状態ではどうなるかも試した。すると、車速はほぼ10km/hの状態(平坦路の場合)に保たれた。エンジンとCVTの制御で、この程度の車速になるよう設定しているのだという。

◆燃費改善は「ごくわずか」の積み上げ

アイドルストップ最大の問題はドライバーの違和感だが、エンジン停止タイミングからブレーキを離しての再始動に至るまで、まったくストレスはなかった。欲をいえば「キュルル」という再始動時のセルモーター音が、ややにぎやか。

『プリウス』のアイドルストップは、ほとんど始動音を感じさせない。だが、車両価格が半分以下なことを考慮すれば許容できるし、乗っているうちに再始動を伝えるリズム音のようにも思えてきた。メーターにアイドルストップの累計時間やそれによって節約できた燃料(ml単位)が刻々表示される機能があり、エコドライブを楽しむ演出も好感がもてる。

もっとも、ダイハツによると同社の従来のアイドルストップ装置に比べると燃費改善への寄与は「ごくわずか」ともいう。それでも世界初の技術への挑戦は価値がある。もともと燃費向上は「ごくわずか」な改善を積み上げるしかない。この装置も30km実現に欠かせない貴重な一員なのである。

(自動車業界の休日シフト終了に伴い10月からは原則水曜日掲載とし、次回掲載は10月5日とします)

《池原照雄》

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