ホンダ、二輪車用エンジンとトランスミッションを開発

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ホンダの二輪車用新型エンジン
ホンダの二輪車用新型エンジン 全 6 枚 拡大写真

ホンダは、低・中速域で力強いトルク特性と低燃費で優れた環境性能を両立させた二輪車用新型エンジンと、第二世代のデュアル・クラッチ・トランスミッションを開発した(一部既報)。

新型エンジンは、特に欧州地域で広く支持されている排気量500~750cc程度のミドルクラスに適合する水冷・4ストローク・直列2気筒700ccで、燃費性能は、ミドルクラス最高の27km/リットル以上、同クラスのスポーツモデルと比較して40%以上を向上する。

新型エンジンに組み合わせるトランスミッションとして、軽量・コンパクトでスムーズかつダイレクト感のある伝達効率に優れた第二世代デュアル・クラッチ・トランスミッションを開発した。6速マニュアルミッションとあわせて2タイプ設定する。

新型エンジンはコンセプトの異なる3モデルに搭載し、11月にイタリアのミラノ市で開催されるEICMA2011(ミラノショー)と12月開催の東京モーターショーに出品する予定。

新開発エンジンは、トルクフルで扱いやすく、心地よい鼓動感を体感できるエンジン特性を目指した。次世代のミドルクラスエンジンとして低燃費で優れた環境性能を発揮する。

車体レイアウトの自由度に貢献して利便性の高いスペースを作り出せる軽量でコンパクトな設計とした。

エンジンレイアウトは、さまざまなエンジン形式を多角的に検証した結果、直列2気筒700ccでシリンダー前傾角62度(車両搭載角)に決定。

低・中回転域で力強い走りを達成しながら、確実な燃焼による低燃費化を目指してボア×ストロークを73mm×80mmに設定した。理想的な燃焼室形状や最適なバルブタイミングとともに、より安定した燃焼を実現した。ピストンに樹脂コーティングを施し、摩擦を低減するローラー式のロッカーアームに二輪車初の軽量アルミ素材を採用するなど、燃費の向上に寄与する低フリクション技術を採用した。

吸気経路は2気筒を同一経路としてあえて吸入行程を干渉させ、緻密に計算された燃焼タイミングの変化を実現させるヘッド内分岐吸気ポートレイアウトを採用した。1本のカムシャフトで直列2気筒相互のバルブタイミングを変えるため、2種類の吸入バルブタイミングのカムを設定する。これらによって微妙な燃焼変化を発生させ、小気味よいパルス感のあるエンジンとした。

排出ガス浄化効率の最大化を図るため、エンジン始動時にキャタライザー(三元触媒)をエキゾーストポートの直下に配置して燃焼ガスの温度が下がらないうちに触媒を通すようにした。

電子制御燃料噴射装置(PGM-FI)の採用などによって、ヨーロッパのEuro3排出ガス規制値の約1/2を達成するなど、力強くスムーズな出力特性でありながら、世界最高水準の環境性能も実現した。

トランスミッションは、同社が二輪車用として世界で初めて開発し『VFR1200F』に搭載したデュアル・クラッチ・トランスミッションに対して一層の軽量・コンパクト化を施した。選択した各モードに学習機能を付加し、市街地や峠道などさまざまな走行環境を判断し、最適な変速制御を自動的に行う。6速マニュアルミッションの2タイプを設定、幅広いユーザーの好みに応える。

《レスポンス編集部》

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