【CEATEC 11】NTTドコモ…生活のどこで無線通信は関わるのか

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【CEATEC JAPAN 2011(Vol.2)】フォトログと電力消費の「見える化」で総合サービス企業としての可能性を探る
【CEATEC JAPAN 2011(Vol.2)】フォトログと電力消費の「見える化」で総合サービス企業としての可能性を探る 全 17 枚 拡大写真

 「総合サービス企業」というコンセプトを打ち出したドコモは、今回のCEATECにおいて、通信キャリアという立場から端末や回線サービスを紹介するだけではなく、将来を見据えた無線通信サービスの在り方を提案している。そこでは「まず通信ありき」ではなく、人びとの生活において無線通信はどこで関わることができるかという観点に立っている。ここでは、その代表的な例を2点挙げたい。

■難しい操作なしで簡単に利用できる画像サービス……「docomo Connected Home『メモリーコレクション(仮称)』」
 まずひとつめが12月にサービス開始予定の「docomo Connected Home『メモリーコレクション(仮称)』」だ。このサービスは、スマートフォンやデジタルカメラで撮影した写真や動画を、自動でセンターの利用者専用スペースにアップロードし、独自の画像認識技術や動画変換技術などを利用して、人物別・イベント別などで自動的に整理するというもの。スマートフォンだけでなく、パソコンやTV、お便りフォトパネルなどの各種端末での閲覧が可能だ。

 このような「フォトログ」系サービスは、米Yahoo!の「Frickr」やGoogleの「Picasa Web Albums」、日本でもソニーが「Life-X」を提供するなど、数多くの企業が取り組んでおり、先頃はKDDIが「Eye-Fi」と提携して自動アップロードサービスを発表したばかり。これだけ写真共有サービスが百花繚乱の様相を呈している背景には、写真はそれだけ顧客の囲い込みに効果を発揮するコンテンツだからだ。

 では、キャリアであるドコモが自社サービスとしてメモリーコレクションを展開する積極的な意義はどこにあるのだろうか。研究開発センターのサービス戦略担当小俣栄治氏は、次のように説明する。「大きく狙いは2つある。多くのユーザーは、携帯電話(スマートフォン)でも、手持ちのデジカメでも写真を撮っているが、両者の写真はたいてい分離されてしまっている。このサービスでは、両者の写真をひとつにまとめて見られるようにしようというのが1つめの目的。また、それらの写真をスマートフォンからPC、ご家庭のテレビでも見やすく提示するというのが2つめの狙い」と説明。

 また、これまでのフォトログ系サービスは相応のリテラシーが求められる点にも言及し、ドコモとしては、「あまり知識がない方でも、アプリケーションのインストールや手作業を限りなく減らして、簡単に利用していただけるように配慮した」とのこと。フィーチャーフォン向けにはアプリは用意せず、Android端末のみでの提供となるが、「フィーチャーフォンからスマートフォンへの移行が進む」(小俣氏)と見ているそうだ。

■手軽にエネルギーの見える化を実現……「ドコモホームエネルギーマネジメント」

 もうひとつが、「ドコモホームエネルギーマネジメント」。これは、家庭内電力の“見える化”を可能にするソリューションだ。特徴は大がかりな工事が必要なく、簡単に設置がおこなえる点だ。基本的には、使用する電気製品のコンセントに中継する「スマートタップ」と「ワイヤレス対応中継トランスレータ」を置くだけ。トランスレータはインターネットに接続されている必要はあるが、それ以外の手間は不要だ。

 スマートタップには、「Z-Wave無線通信」と呼ばれる、ごく小さい消費電力(0.3〜0.4W前後)で通信がおこなえる規格を採用しており、これをトランスレータを介してクラウドにアップロード。各タップから得たデータをクラウド上で処理して消費電力の推移グラフや、各曜日ごとの電力消費量の推移、省エネアドバイスなどをPCやスマートフォンの画面上で確認できる。

 ドコモホームエネルギーマネジメントは、8月より1000世帯限定でモニターサービス提供中で、それぞれの世帯に4つのスマートタップと中継器1個を配布している。これらのモニターサービスを通じてドコモでは現在さまざまな情報を収集・分析しているところだという。

 担当の説明員によれば、「電力消費が見える化されるということがまずは第一歩。現状のホームエネルギーマネジメントではインターネットに接続する固定回線があれば利用可能で、当社独自のサービスを提供しているわけではない。見える化から先とのところに当社がどういうサービスが展開できるかを検討している」と説明した。

 また、今回披露したエネルギーマネジメントは、震災前から研究開発が進められてきたものだという。「環境負荷をどう低減するかという大局的な観点から、省エネルギーに当社がどう役立てるかを考え、このプロジェクトが発足した。その証拠に、“節電”ではなく“省エネ”という言葉を一貫して用いている」(説明員)。

【CEATEC JAPAN 2011(Vol.2)】フォトログと電力消費の「見える化」で総合サービス企業としての可能性を探る

《編集部@RBB TODAY》

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