【メルセデスベンツ Bクラス 海外試乗】日本の脱ミニバン世代に…まるも亜希子

試乗記 輸入車
メルセデスベンツBクラス新型
メルセデスベンツBクラス新型 全 24 枚 拡大写真

2011年9月のフランクフルトショーでワールドプレミアとなった、2代目となる新型メルセデスベンツ『Bクラス』。欧州ではこの11月より販売開始、日本へは来春のデリバリーが予定されているが、10月初旬のドイツにおいて、ひと足先に試乗および取材が叶った。

第一印象では初代のイメージを受け継ぐ新型Bクラスだが、48mm低くなった全高をはじめ、細かく見るとスポーツツアラーの素養が増していることを感じる。

プラットフォーム、パワートレインなど全てが新しくなったほか、力を入れたのが安全装備だ。ミリ波レーダーを使った的確な警告とブレーキアシストで、衝突事故を未然に防ぐ「コリジョンプリベンションアシスト」を全車に搭載。これによってメルセデス・ベンツは、コンパクトクラスの新たな安全基準を創る意気込みを見せつける。

日本導入予定の1.6リットル直4ガソリンエンジン+7速DCTは、156hp/250Nmの「B200」と、122hp/200Nmの「B180」がある。

まずB200から試乗すると、ガッシリとした剛性感と大らかさのある加速フィールで、高速道路では上質なクルージングが味わえる。レーンチェンジなどではもう少し、俊敏なハンドリングでもいいかなと思えるが、ファミリーで乗るならちょうどいいテイストかもしれない。

次にB180に試乗すると、先ほどより軽快感が増して山道ではキビキビとカーブを抜けていけた。かといって、上質な乗り味がそれほど削がれるわけでもなく、2〜3人乗車ならこちらが良さそうだ。

ちなみにどちらも「ECO」モードのボタンがあり、ノーマルよりも抑えた出力で自然にエコドライブができ、信号待ちなどではアイドリングストップも作動する。

助手席および後席にも試乗してみたが、試乗車は全てランフラットタイヤだったためか、乗り心地はやや硬めに感じる場面もあった。

でもそれによって確保されたスペースのおかげで、後席には『Eクラス』より広い足元空間が生まれ、140mmの前後スライドで荷室を666リットルに拡大できる。後席を倒せばフルフラットになり、その操作感も文句無しにスムーズだ。

快適性、ダイナミズム&アジリティ、質感、安全性。この全てにおいて“未来のプレミアムコンパクト”を提示したと開発責任者が言う通り、新型Bクラスは脱ミニバン世代やダウンサイザーといった、日本の新たなコンパクトユーザーのニーズにも、バッチリ合いそうである。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★★

まるも亜希子/カーライフ・ジャーナリスト
映画声優、自動車雑誌編集者を経て、カーライフ・ジャーナリストとして独立。現在は雑誌・ウェブサイト・ラジオ・トークショーなどに出演・寄稿する他、セーフティ&エコドライブのインストラクターも務める。04年・05年にはサハラ砂漠ラリーに参戦、完走。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員(2011-2012等)、AJAJ(日本自動車ジャーナリスト協会)会員。公式ブログ『運転席DEナマトーク!』他アップ中。ニッポン放送『DRIVE with ECO&DREAM』(月〜金曜日、19時19分〜)レギュラー。

《まるも亜希子》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 伝説のACコブラが復活、「GTロードスター」量産開始
  2. トヨタ『ランドクルーザー300』初のハイブリッド登場!実現した「新時代のオフロード性能」とは
  3. ようやくですか! 新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』日本仕様初公開へ…土曜ニュースランキング
  4. 「三菱っぽくないけどカッコいい」ルノーの兄弟車となる『エクリプス クロス』次期型デザインに反響
  5. 【BYD シーライオン7 新型試乗】全幅1925mmの堂々サイズも「心配無用」、快適性はまさに至れり尽くせり…島崎七生人
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 低速の自動運転遠隔サポートシステム、日本主導で国際規格が世界初制定
  2. 独自工会、EV減速でPHEVに着目、CNモビリティ実現へ10項目計画発表
  3. 三菱が次世代SUVを初公開、『DSTコンセプト』市販版は年内デビューへ
  4. 「やっと日本仕様が見れるのか」新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』ついに上陸! 気になるのはサイズ?価格?
  5. 米国EV市場の課題と消費者意識、充電インフラが最大の懸念…J.D.パワー調査
ランキングをもっと見る