日産、FF用ハイブリッドシステムを新開発…1モーター2クラッチでトヨタ対抗

エコカー ハイブリッド
日産が新開発したハイブリッドシステム(FF車用)
日産が新開発したハイブリッドシステム(FF車用) 全 4 枚 拡大写真

日産自動車は13日、FWD(前輪駆動車)用ハイブリッドパワートレインを発表した。高級セダン『フーガハイブリッド』に続く、日産第2のハイブリッドシステムとなる。

画像:日産が新開発したハイブリッドシステム

デビュー予定は2013年と少し先。北米向けのミドルクラスセダン、次期『アルティマ』にまず採用されるとみられる。現在はトヨタグループから供与された2モーター型のハイブリッドシステムを搭載するが、遠からず内製システムに切り替わることになる。

同日発表した2.5~3.5リットルエンジン用次世代エクストロニックCVTに、1つのモーター・ジェネレーター(モーター兼発電機)を組み合わせたパラレルハイブリッド方式。フーガハイブリッド用と同様、エンジンとモーターの間、トランスミッションとデファレンシャルギアの間にそれぞれクラッチを持ち、エンジンを停止した状態でのモーター走行、停車時発電が可能である。

マスメディア向けの先端技術説明会ではシステムのカットモデルが展示されていたが、モーターはホンダのパラレルハイブリッドシステム『IMA』と同様、高密度にコイルを巻くことができる角型銅線が採用されており、非常にコンパクトに仕上がっていた。

詳細スペックは現時点では非公表で、モーター出力はフーガハイブリッドのもの(50kW)より小さくなるが、システム出力は3.5リットルV6並みであるという。ハイブリッドシステムにセットアップされるバッテリーはフーガと同様、子会社であるオートモーティブエナジーサプライ社製のラミネート型マンガン酸リチウムイオン電池だ。

注目の燃費性能だが、車載状態でクラストップレベルを目指すという。トヨタは9月、アイドリングストップ装備の『ヴィッツ1.3スマートストップパッケージ』をしのぐ燃費を達成した『カムリハイブリッド』を日本デビューさせた。また、未確認情報だが、次期『クラウンハイブリッド』も燃費性能向上を狙って4気筒化されるという噂もある。競争相手としてはかなりタフである。

日産のエンジニアは「トヨタのシステムはとても優れていますが、遊星ギアでエンジン、モーター、発電機を連結しているため、エンジンとモーターの回転を完全に分割できず、モーター走行時もエンジンの引きずり抵抗をゼロにできない。モーター走行時の効率では我々の1モーター2クラッチのほうがいい」と、目標達成に自信を示す。

新型ハイブリッドシステムに組み合わされるエンジンは、2.5リットルにスーパーチャージャーを装備したダウンサイジングエンジン。こちらもスペックは未公開だが、クラストップレベルの燃費という目標から、ミラーサイクルエンジンであることはほぼ確実だろう。

このハイブリッドユニットは北米モデルだけでなく、グローバルに投入されるという。日本市場ではミドルクラスセダン『ティアナ』、大型ミニバン『エルグランド』あたりが候補として挙がる。

《井元康一郎》

井元康一郎

井元康一郎 鹿児島出身。大学卒業後、パイプオルガン奏者、高校教員、娯楽誌記者、経済誌記者などを経て独立。自動車、宇宙航空、電機、化学、映画、音楽、楽器などをフィールドに、取材・執筆活動を行っている。 著書に『プリウスvsインサイト』(小学館)、『レクサス─トヨタは世界的ブランドを打ち出せるのか』(プレジデント社)がある。

+ 続きを読む

ピックアップ

レスポンス公式TikTok

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 日産『スカイライン』新型が12月公開へ! 開発期間を半減、“日産復活の象徴”はどうなる?
  2. ヤマハ『XSR900』を「USインターカラー」に変身! ワイズギア、外装セットを限定発売 価格は29万9200円
  3. フォルクスワーゲン、新型EV『ID.ティグアン』を世界初公開へ エンジン車のティグアンも併売
  4. BMW 3シリーズ 新型、9月30日デビューへ…第8世代は内燃エンジン全車がハイブリッドに
  5. 免許取得したばかりの少年、同乗者3人死傷の事故を起こす
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 【全文PDFプレカン】日産自動車 長期ビジョン発表会
  2. タイ矢崎電線のアルミ新工場がタイに完成、生産量3倍に増強…送配電網・自動車向けに対応
  3. [Key Person Interview]圧倒的な地の利を活かすラストワンマイルの担い手…駅レンタカーシステム代表取締役社長小堀明夫氏
  4. インド国産化の進め方、事業の核の築き方【インド・新自動車大国の素顔】
  5. 【セミナー見逃し配信】※プレミアム・法人会員限定 欧州自動車産業の次の一手、欧州の現場で何が起きているのか~EV減速局面・SDV/AIへの移行・中国勢の浸透~
ランキングをもっと見る