欧州で唯一、公的衝突テストを行うユーロNCAPコンソーシアムは26日、アウディ『Q3』の衝突安全テストの結果を公表した。
ユーロNCAPの衝突テストは、前面オフセット64km/h、側面50km/h、ポール衝突29km/h、歩行者衝突40km/hで実施。日本や米国の基準とほぼ同じ、世界で最も厳しい条件で行われる衝突テストとして知られる。
また2009年2月、ユーロNCAPは新評価システムを採用。評価の割合に応じて、ポイントが配分されるようになった。
このシステムでは、最重要視される「成人乗員保護性能」に、ポイントの50%を配分。「子ども乗員保護性能」と「歩行者保護性能」には各20%、エアバッグやABS、ESCなどの「安全補助装置の有無」には10%を配分する。最高評価の5つ星を獲得するためには、総合評価が90ポイント以上必要である。
アウディQ3のテスト結果を検証すると、成人乗員保護性能は34点。ダミー人形が受けた傷害レベルは、各部位ともに総じて低かった。また、同時にテスト結果が公表されたトヨタ『ヤリス』(日本名:『ヴィッツ』)やBMW『1シリーズ』とは異なり、追突時に乗員がむち打ちとなる可能性は低いとの評価だ。
子ども乗員保護性能は42点。歩行者保護性能は19点。安全補助装置の有無は6点。子ども乗員保護性能は、ヴィッツや1シリーズを上回ったが、歩行者保護性能はQ3が背の高いSUVのため、1シリーズの23点よりも低い評価となった。
この結果、アウディQ3の合計ポイントは101点となり、総合評価で5つ星に輝いた。ユーロNCAPのテスト結果を受けて、アウディは「Q3はカテゴリーで最も安全性の高い1台」とコメントしている。