【Fニッポン 最終戦】展望…短距離2レース制の王座決定戦

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今年8月のもてぎラウンドのスタート。ロッテラー(左端)とオリベイラが激しく争う。
今年8月のもてぎラウンドのスタート。ロッテラー(左端)とオリベイラが激しく争う。 全 12 枚 拡大写真

国内最高峰カテゴリー「全日本選手権フォーミュラ・ニッポン」が、いよいよ今季のシリーズ最終戦を迎える。4人のドライバーに可能性が残されたチャンピオン争い、その決着の舞台となるのは栃木県・ツインリンクもてぎだ。

11月5〜6日にもてぎロードコースで開催される最終第7戦に、チャンピオン獲得の可能性をもって臨むのは以下の4人である。

アンドレ・ロッテラー(38点)
中嶋一貴(34点)
ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ(25点)
塚越広大(23点)

この最終戦は通常と異なる2レース制で実施され、レース1、レース2それぞれの1〜8位に8/4/3/2.5/2/1.5/1/0.5点が与えられる。さらにポールポジションの1点×2を加えると、最大獲得可能ポイントは18。

つまり、首位と13点差のオリベイラ(インパル・トヨタ)、15点差の塚越(ダンディライアン・ホンダ)は、もてぎ最終戦でフルマークの18点を獲ることが、戴冠のための実質的な最低条件とも言える状況で、かなり厳しいのは事実。連覇を狙うオリベイラに関しては、前戦SUGOで微妙な車両規定違反で2位を失ったことが、なんとも痛い。今季苦闘のホンダ勢で唯一可能性を残した塚越は、なんとか自身初優勝を果たして、トヨタの全勝を阻止したい、というのが正直なところではないか。

オリベイラが意地の逆襲で、最終戦連勝を果たす可能性はあるが、それでもトムス・トヨタ勢ふたりの結果待ち。タイトル争いは、現実的にはロッテラーvs一貴の同門対決と見るべきだろう(チーム部門タイトルは既にトムスの初戴冠が決定している)。

自身参戦9年目、悲願のタイトルを目指すロッテラーは今季ここまで参戦機会4戦3勝、2位1回と、準パーフェクトの成績(第2戦はルマン参戦のため欠場、第5戦は悪天候で中止)。なぜかポールポジションが少ないことがこの人の不思議な特徴だが(今季0回)、予選でダブルポールを獲得すれば、初戴冠は一気に近づく。

その予選は通常のノックアウト方式(Q1〜Q3)で争われ、Q3まで戦った結果がレース2のグリッドとなり、Q1の結果がレース1のグリッドとなる。だから今回は上位陣も「Q1は通過すればいい」というわけにはいかず、いきなりトップ=ポールポジションを競う覚悟が必要になる。そこで、予選が得意とは言えない面もあるロッテラーがどんな走りを見せるか、注目したい。

自力逆転の可能性を残すのが、ロッテラーの同僚である一貴。今季は全戦で3位以内と、初参戦とは思えない高値安定ぶりだが、巧みな戦略と、それを可能にする精緻な走りで良績を残してきた彼にとって辛いのは、今回が短距離戦であることだ。レース1が約110km(23周)、レース2が約160km(34周)なので、戦略での順位上昇は狙いにくい。だから一貴にとっても予選が極めて重要になるのだ。レース1、レース2の開催は日曜だが、土曜の予選がいつも以上の重みをもってくる。ぜひとも土曜からの観戦をお勧めしたい。

一貴としては、とにかく同僚ロッテラー超えを果たさねば王座はない。今季1勝だが、勝ったのはロッテラー不在の第2戦で、それ以外はすべてロッテラーに先着を許している。ルマン優勝という肩書きも加えた手強い同僚を相手に、ビッグタイトルを獲得できるかどうか。真価が問われる最終戦になる。

チャンピオン争い以外にも、復権を目指す小暮卓史(ナカジマ・ホンダ)や、再度のもてぎスポット参戦となる武藤英紀(リアル・ホンダ)、そして一貴以外の新人たちの成長ぶりなど、焦点盛りだくさんの最終戦。併催のジュニアカテゴリー、フォーミュラチャレンジ・ジャパン(FCJ)は4レース実施と、11月5〜6日のツインリンクもてぎは、忙しいくらいに充実したプログラムの2日間となる。

《遠藤俊幸》

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