三菱重工、B787向け複合材主翼の増産体制整う

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9月26日、米エバレット工場でボーイングからANAへ、787初号機引き渡しの式典。
9月26日、米エバレット工場でボーイングからANAへ、787初号機引き渡しの式典。 全 2 枚 拡大写真

三菱重工業は、米国ボーイングの最新鋭中型ジェット旅客機「787」向け複合材主翼を成形するオートクレーブ(複合材硬化炉)の2号炉を名古屋航空宇宙システム製作所の複合材工場(名古屋市港区)に導入すると発表した。

787の増産に対応するためで、2006年から稼働している1号炉と同じく、同型式炉の中で世界最大級。高温・高圧で主翼形状に積層した複合材プリプレグ(熱硬化性樹脂)の硬化・成形を行う。

オートクレーブ2号炉は直径約8m、長さ約40mの円筒形状で、総重量は約700t。片方の長さが約30mの巨大な複合材主翼を高精度、均一の品質で安定的に量産するためには欠かせない主要設備。長大な片翼の上部または下部をそのまま炉内に入れて、加圧・加熱できる。

芦田製作所の設計・製作し、三菱重工のグループ会社の広島菱重エンジニアリングが缶体を製作した。広島菱重工から海路で運ばれた2号炉は、複合材工場が立地する名古屋航空宇宙システム製作所の大江工場敷地に隣接する名古屋港岸壁に到着し、11月17日に工場に搬入した。

ボーイング787は、世界で初めて複合材主翼が採用された旅客機で、初号機が今年9月に全日本空輸に納入され、運航が始まっている。三菱重工は787の主翼の生産を担当し、大江工場敷地に複合材工場と主翼を組み立てる組立工場を稼働させている。

787の増産に向けて、すでにスキン用ウォータージェット切断装置や複合材レイアップ装置も増設しており、オートクレーブ2号炉の導入で増産体制が整う。

《レスポンス編集部》

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