【ホンダ ASIMO 新型発表】開発者インタビュー…高機能化を両立させる足の軽量化に苦心

自動車 ビジネス 企業動向
ASIMO
ASIMO 全 6 枚 拡大写真

今回、ホンダ『ASIMO』開発責任者としてプレゼンテーションを行なった重見氏に、短時間ではあるが話を伺うことができた。

基礎研究も含めるとホンダは86年から、ヒューマノイドロボットの研究開発を行なっているというが、重見氏はいつごろから関わっているのだろうか。

「私が関わっているのは初代ASIMOの前からですね。87年の『P3』の開発から参加しています」。

P3と言えばホワイトのボディとなって、ASIMOに近い雰囲気になったモデルだ。今回の新型ASIMOは8kgの軽量化を果たし、ついに50kgを切る重量を実現しているが、P3の頃はどれくらい重量だったのだろうか。

「P3は130kgありました。そこから初代ASIMOでは50kgにまで軽量化することができました」。

ちなみにP2は全高(身長)182cmと大柄だったこともあるが、重量は210kgもあった。P3は当初130kgだった重量を、改良型で80kgにまで軽量化している。

「今回の新型ASIMOについても、機能を増やしながらの軽量化だったので、厳しい条件でした」。

軽量化、しかも先行開発の試作となれば最先端素材をふんだんに使って軽量化しているのかと想像してしまうが、どのような方法で軽量化を達成できたのだろうか。

「素材の変更では今回の軽量化は実現できなかったんですよ。機構を含めた全体の内容で軽量化を達成しました」。

機構と言えば、ロボティクス発表会では作業用アームロボットも同時に公開されたが、あのアームロボットのメカニズムはASIMOとほぼ同様と言われたが、本当だろうか。

「ええ、全体の構成は同じような形ですね。大きさや重さなどは違いますが。今回のASIMOでは、足を軽くすることに重点をおきました」。

むしろ以前のモデルは歩行を安定させるため、あえて重くしていたということはないのだろうか。

「いいえ、それはないですね。最初からできるだけ軽くするように努力していました。まず足を軽くすることが重要なんです。足の先が重いと、それだけで機敏な動きをするには大きな障害になります。人間で言えば、たとえは悪いですが鉄ゲタを履いていたら、俊敏な動きはできませんよね?」

バッテリーやメカの小型化で上半身の重量が軽くなれば、それを支える脚部の強度も落とせるので軽くすることはできる。しかし重見氏をはじめとする本田技術研究所の研究員らは、モーターの出力を上げ、駆け足やジャンプを可能にするなど、自らのハードルを常に高く掲げ、挑戦してきたのだった。

《高根英幸》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

アクセスランキング

  1. ルノー『キャプチャー』新型、4月4日デビューへ
  2. ドライブ中の突然の曇り問題にサヨナラ! DIYでウインドウ曇り防止 ~Weeklyメンテナンス~
  3. 【スバル レヴォーグレイバック 新型試乗】「アウトバック」以来、30年にわたる挑戦の成果…諸星陽一
  4. 東京E-Prix 市街地コースは臨海都心に準備…フォーミュラE[写真32枚]
  5. メルセデスベンツ、新型パワートレイン搭載の「GLA180」発売…高性能モデルAMG「GLA45S」も追加
  6. 日産『エルグランド』一部仕様変更、安全装備を強化
  7. シトロエンが新型SUVクーペ『バサルト・ビジョン』を発表 南米で2024年内に発売へ
  8. ホンダ『フリード』次期型予想に注目! ボディ拡大? デザインは?…土曜ニュースランキング
  9. オールラウンドに使えるスポーツタイヤ「SPORTMAX Q5A」が登場!モータースポーツに超本気なダンロップに注目…東京モーターサイクルショー2024PR
  10. 【メルセデスベンツ Eクラス 新型試乗】SUV全盛の今に、果たしてどのような人が選ぶのだろう?…河村康彦
ランキングをもっと見る