三菱電機で自動車機器事業本部長の中山栄治専務執行役は、同社の自動車事業について「総合電機メーカーならではの幅広い技術力からシナジー効果を発揮し、商品開発を行っている」と力強い口調で話した。
同社の自動車ビジネスの歴史は長く、80年の伝統を誇る。その間、日本はもとより世界の主要なメーカーと取引を行い、同社の中核事業の一つとなっている。現在、兵庫県にある姫路製作所と三田製作所をマザー工場として各基幹機種や次世代品の開発・生産を行い、世界16か国30拠点を有している。
「自動車業界は先進国を中心に低燃費車・電動車の開発・販売を促進しており、その動きは新興国においても急速に高まると考えている。また、自動車をより便利で快適なものとするために、情報エンターテイメント面におけるニーズも一層高まっている」と中山専務は指摘する。
そのような大きな変革に対し、総合電機メーカーである同社はシナジー効果を発揮やすく、自動車メーカーに提案も行えるという。その一つが『EMIRAI』(イーミライ)というコンセプトカーだ。
ドライバーや同乗者が直感的に操作できるよう、3次曲線表示上に手書き予測入力を採用したり、携帯電話による個人認証や顔認識、心拍検知といった生体情報活用技術も盛り込まれている。
「これからの車や道がもっと人のために便利で快適になるよう、あらゆる分野で培ったテクノロジーを集約し、『新時代のカーライフを実現する先進技術』の開発に果敢に挑戦し、みなさんの夢を実現していきたい」と中山専務は話していた。