【G-BOOK全力案内 Androidタブレット インプレ後編】面倒な目的地設定もオペレーターサービスで楽々

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渋滞情報は常に表示される。破線がUTISの情報、実線がVICSの情報だ。幹線道路はVICSで、裏道はUTISがフォローしているのが分かる。
渋滞情報は常に表示される。破線がUTISの情報、実線がVICSの情報だ。幹線道路はVICSで、裏道はUTISがフォローしているのが分かる。 全 9 枚 拡大写真

携帯電話やiPhoneでも人気の『G-BOOK全力案内ナビ』を、最近続々と登場しているAndroidタブレットでその使い勝手をインプレッション。後編ではオペレーターサービスや各種連携機能についてレポートする。

オペレーターサービスで面倒な目的地設定が快適になる

トヨタの展開するG-BOOKの看板サービスであるオペレーターサービスが使えるのも本アプリの大きな特徴だ。準備として、オペレーターボタンをタップしてスマートフォンの電話番号とメールアドレスを入力しておく。あとは、表示される番号をタップして電話をかけ、オペレーターに目的地を伝えればいい。このとき、はっきりとした店名や住所でなく、「一番近くのイタリアンレストラン」といったリクエストも可能だ。すぐに目的地のデータがメールで送られてくるので、そこにある目的地のリンクをタップすれば目的地設定ができる。

こうして説明すると面倒に感じるかもしれないが、実際にやってみれば簡単だ。また電話機能のないタブレットでもオペレーターサービスは利用できる。この場合は自分が使っている携帯電話やスマートフォンの電話番号をタブレットに登録し、その電話から発信すればいい。

実際に使ってみたが、普通の検索とはひと味も二味も違うことを確認できた。「ブックオフ以外の古本店」というリクエストをしたのだが、これは本アプリの目的地検索で探すのは難しい。ジャンルに「古本」が設けられていないし、書店を探して店名を見ても古本店かどうか分からない場合があるからだ。しかし、オペレーターサービスではすぐに古本店を何店かリストアップしたメールを送ってくれた。こういった融通が効くのは人間が対応してくれるオペレーターサービスならではだ。

オペレーターサービスは、ライバルのナビアプリから見れば反則と言いたくなるほどの究極の機能だ。カーナビを使うときもっとも面倒なのは目的地の設定であることは、誰もが認めるはず。目的地の電話番号がわかっていればいいが、そうでなければ名前で検索するにしても住所を入力するにしても、かなりイライラさせられる。その一番面倒な操作が口頭でオペレーターに伝えるだけで済むのだから、快適さは推して知るべしだ。

◆UTISにVICSも加えた交通情報で渋滞を回避

日本で渋滞情報といえばVICSだが、VICSは道路にカメラを設置するなどインフラによって情報収集をするため、あまり細い道路まではフォローしていないという欠点がある。そこで、本アプリでは独自の渋滞情報であるUTIS(ユビークリンク交通情報)を提供している。同じように独自の渋滞情報サービスを行なっている企業は他にもあるが、ホンダ、トヨタ、パイオニア、それに最近話題になったGoogleといった大手ばかりなのだから、本アプリがいかに突出した存在かが分かる。

UTISは主にタクシーをプローブ情報として使っているため、都市部に強い。都市部なからかな細い裏道まで渋滞情報が表示される。ただし、タクシーがあまり走っていない郊外では情報量が少ない。そこで、VICSの情報と組み合わせることで完璧を期している。

ディスプレイにはUTISによる情報が破線、VICSは実線で表示され、さらにリアルタイムな情報は点滅するなど、渋滞に関する情報量は非常にきめ細かい。ちなみに点滅していないUTISの情報は、過去の統計による情報。こうした統計渋滞情報は他社の渋滞情報サービスでも普通に使われているが、区別できるように表示する本アプリの姿勢には非常に好感が持てる。

最近では低価格なPNDでもVICSを搭載する機種が増えてきたが、その場合はFM-VICSであることが圧倒的に多い。しかし、FM-VICSは地図上に渋滞情報を表示することはできても、それ避ける渋滞回避ルート検索をすることはできない(技術的な問題ではなくルール上の制約。通行止めなど渋滞以外の情報はルート検索に反映できる)。そのため、同じVICS対応でも本アプリのような渋滞回避ルート検索ができるカーナビアプリとは機能に差がある。その違いが大きいか小さいかは一概に言えないが、スマートフォンのカーナビアプリにはこんなアドバンテージもあるということは知っておいて損はないだろう。

◆Facebookと連携して目的地設定 オービスへの接近を警告もできる

実は、本アプリにはもうひとつ、オンリーワンの機能がある。それがFacebookとの連携機能だ。目的地検索のメニューの「facebookから」をタップするとFacebookの自分と友達の一覧表が表示される。その中から誰かをタップすると、その人がチェックイン機能で登録した場所が表示される。それをタップすれば目的地設定ができるのだ。

たとえば、グループでどこかに集まりたいときにその場所をFacebookに登録しておけば、友だち登録してある人はそれを目的地として設定することができる。また、Facebookで誰かが紹介したショップに行きたい場合なども、簡単に目的地設定をすることができる。

そのほかにも本アプリにはユニークな機能が多い。まず紹介しておきたいのはオービスお知らせ機能だ。オービスに近づくと赤い表示とアナウンス、もしくは警告音で知らせてくれる。しかも、反対車線のオービスには反応しないなど芸が細かい。ただし、なぜか目的地を設定してガイドしているときしかこの機能が働かないので注意が必要だ。

また、パソコンとの連携機能が充実しているのも特徴といえる。パソコンの専用サイトで目的地検索ができる機能は他のアプリでもよくあるが、本アプリは目的地だけでなく、経由地も含めたルート全体をパソコンと同期できる。これは地味ながらかなり便利だ。というのも、渋滞回避ルート検索は日時が違えばルートも変わってしまう。パソコンで検索した通りのルートを走るには、ルートそのものを同期する必要があるのだ。

《山田正昭》

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