東日本大震災関連倒産、再び増加で累計550件に…東京商工リサーチ

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東京商工リサーチは、東日本大震災関連の経営破たんに関する調査を実施してその結果を発表した。

東日本大震災関連倒産は、12月に66件発生、3か月ぶりに60件台に上昇し、1月12日現在で累計550件に達した。震災関連倒産は依然として阪神・淡路大震災時の約4倍のハイペースで推移している。

12月の主な倒産事例では、海外向けにモーター部品、金型の機構部品などを輸出入していた世江商亊は、円高など厳しい環境で低収益な経営が続いていたところに、震災の影響で売上が停滞。さらにタイの洪水で販売先が被災し売上急減に拍車がかかり破産を申請した。震災とタイ洪水がダブルパンチとなった。

また、水産物加工のマルハラフーズは、海水温度上昇からサンマの収穫が北海道に集中し、仕入値が上昇した。さらに震災発生で魚が入手しにくくなり、風評被害による販売量減少も加わり経営維持に支障を来たし破産を申請した。こうした食品の風評被害の倒産は今後も増加する可能性がある。

1月12日現在、震災関連倒産は累計550件。1995年1月に発生した阪神・淡路大震災関連倒産は震災から11か月目の累計が138件だったのと比べて、約4倍のハイペースが続いている。

また、現時点で倒産に集計されない事業停止や、破産など法的手続きの準備を進めている「実質破綻」も32件あり、1月12日現在で倒産と実質破綻を合わせた「経営破綻」は582件に達した。

震災関連倒産は、発生ペースが一段落した感があったが、年末から実質破綻状態から倒産が確定する企業が増加するなどで、再び増勢に転じている。

震災関連倒産の累計550件の都道府県別では、最多が東京の131件で、北海道の38件、岩手の29件、大阪と福岡がそれぞれ28件、福島の24件と続く。直接被害を受けた東北6県の倒産件数は90件で構成比は16.3%にとどまる。

産業別では、製造業が130件で最多。次いで宿泊業・飲食店などを含むサービス業他が129件、卸売業が96件、建設業が94件。

被災状況では、間接型被害が510件で全体の9割以上を占める。ただ、12月の被災状況では直接型被害が6件発生し、昨年7月の7件に次ぐ件数となった。同社では、今後も直接の被災地である東北地区を中心に増加が懸念されるとしている。

《レスポンス編集部》

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