【オートモーティブワールド12】EV駆動系部品に参入示唆 安川電機

エコカー EV
安川電機(オートモーティブワールド12)
安川電機(オートモーティブワールド12) 全 9 枚 拡大写真
産業用ロボットやインバーター世界首位メーカーとして知られ、風力発電機用のジェネレーターなども手がける安川電機が、EV搭載を想定した新しいモーター、インバーターシステムを参考出品した。

スペックは連続出力122kW、定格トルク200Nmと強力。許容回転数は1万2000rpmで、減速比3:2で使った場合、静止状態からの発進で300Nmのトルクを得られることになる。セッティングによっては大型燃料電池サルーンや小型トラックなどにも使えそうな勢いである。モーター単体の重量は60kg弱。

インバーターは15年15万マイルといった長期使用でのメンテナンスフリー性を考慮して、次世代技術として注目されている直接水冷ではなく間接水冷方式だが、こちらも十分コンパクトに仕上がっている。ブースでは高速運転デモも行われていたが、モーターづくりのノウハウを駆使した低速時、高速時それぞれの騒音・振動制御もきわめて良好に機能していた。

「われわれはこれまで自動車用の原動機は手がけていませんでした。本格的な量産品を作るとなれば、まだまだ知らないことがたくさんあると思います。これを機に、研究開発で交流を持てればと期待しています」。(安川電機関係者)

重電分野のノウハウを豊富に持つ企業がEV開発のプレーヤーに加われば、クルマの電動化技術の進化の速度もより速まるというもの。今後の展開に期待したいところだ。

《井元康一郎》

井元康一郎

井元康一郎 鹿児島出身。大学卒業後、パイプオルガン奏者、高校教員、娯楽誌記者、経済誌記者などを経て独立。自動車、宇宙航空、電機、化学、映画、音楽、楽器などをフィールドに、取材・執筆活動を行っている。 著書に『プリウスvsインサイト』(小学館)、『レクサス─トヨタは世界的ブランドを打ち出せるのか』(プレジデント社)がある。

+ 続きを読む

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. トヨタ『ヤリスクロス』と『カローラクロス』の約10万台にリコール…パノラミックビューで映像が確認できない
  2. BMW 3 / 4 シリーズの「M」、392馬力にパワーアップ…マイルドハイブリッドも搭載
  3. トヨタ『カローラクロス』改良新型、米国はガソリン車も設定…ハイブリッドと顔が違う
  4. 【スバル フォレスター 新型試乗】日本車の目覚しい進歩に舌を巻く…中村孝仁
  5. 【ヤマハ YZF-R25 新型】人気の理由は「映えるデザイン」にあり! 進化する「Rの血統」とは
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
  3. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  4. SUBARUの次世代アイサイト、画像認識技術と最新AI技術融合へ…開発にHPEサーバー導入
  5. 「ハンズオフ」は本当に必要なのか? 高速での手離し運転を実現したホンダ『アコード』を試乗して感じた「意識の変化」
ランキングをもっと見る