トヨタ自動車が24日、初公開した新型レーシングカー、『TS030ハイブリッド』。2012年シーズンのルマン24時間耐久レースやWEC(世界耐久選手権)を戦う「ハイブリッドレーサー」は、どんな特徴を備えているのか。
TS030ハイブリッドには、新開発の3.4リットルV型8気筒ガソリン自然吸気エンジンを搭載。フロントにアイシンエィ・ダブリュ製、リアにデンソー製のモーターを組み合わせる。また二次電池の役割として、日清紡ホールディングスが開発したキャパシタストレージを採用する。
さて、このTS030ハイブリッド、現行のレギュレーションの範囲内で最大限、メリットを享受できるシステムを追求しているのが特徴といえる。テクニカルディレクターのパスカル・バセロン氏は、「レギュレーションでは、ブレーキング時のエネルギー回生が認められているため、このエネルギーを回生&保存して放出。コーナー出口のスピードを上げ、ラップタイム向上につなげられる」と話す。
また、ハイブリッドプロジェクトリーダーの村田久武氏は、「ブレーキングゾーンの間で最高500kJのエネルギー回生と保存を行い、フロントまたはリアのモーターを通してこのエネルギーを放出することによって、加速性能を向上する」とコメント。やはり、TS030のハイブリッドシステムが、燃費よりも速さに重点を置いたシステムであることを示唆している。
もちろんこのTS030、ピットレーンではモーターだけで走行するEVモードを備えているということだ。