トヨタ自動車でレクサス本部長を務める伊勢清貴常務役員は全面改良した『GS』について、踏ん張り感のあるデザインや居住性向上のため全幅を先代モデルより拡大したものの、「立体駐車場に入る」サイズにこだわったという。
伊勢常務は「今回デザインがフレアで、タイヤが外に張り出す格好にしたが、そのサイズを決めるひとつの要素は立体駐車場に入るということ」と明かす。実際、新型のトレッドは先代に比べて前が40mm、後50mmワイド化したが、全幅は1840mmとプラス20mmに抑えている。
「レクサス『LS』の全幅が1880mmで、立体駐車場に入らないケースが多い。(GSの)競合車BMW5シリーズもかなり大きい。やはり日本のお客様はそういうところも気にする。また日本ではLSを自分で運転するには、ちょっと大きいとう方がいるのも事実。世界的にダウンサイジング、小さくて燃費を良くするということもあり、そういうことも含めて全体的に今回やれたので正直自信を持っている」と胸を張った。
その一方で、「正直いって前のモデルはレクサスブランドの中で、ちょっと成功したとは言い難い」とした上で、「ISは結構若い方が来られてスタイリッシュだよねと言われる。LSはある意味堂々とした感じ。しかしISに乗られた方が次にGSとなると、やっぱりISのままで良いという方もいる」と反省。
このため「今回はラゲージの容量や室内の狭さなどをかなり改善した。セダンとしての使い勝手はISに比べてはるかに良いし、室内も広い。ひとクラス上の車になった。そういう意味でいくとISからGSにいくお客様も、今後かなり増えてくるのではないか」と述べている。