帝人は2月6日、リチウムイオン2次電池(LIB)向けで、世界で初めてフッ素系化合物のコーティングにより耐熱性や易接着性などの高い性能を備えた、LIB用セパレータを開発したと発表した。
今回開発したフッ素系化合物をコーティングしたセパレータは、タブレットPCやスマートフォンなどに使用される、ゲル状のポリマー電解質を持つラミネート型LIB向けに開発したもの。ポリマー電解質との易接着性や耐酸化性に優れることから、安全性を確保し、LIBの高出力化、長寿命化が図れるとしている。
同社では、LIB市場は、2020年に8兆円規模の巨大市場に成長すると予想。特にタブレット端末や電気自動車が普及することで、LIBの高容量化、高エネルギー密度化ニーズは高まると見ている。
同社は、2007年にPCや自動車などに用いられる液状電解質を持つ円筒型LIBにメタ系アラミド「コーネックス」をコーティングした高耐熱性セパレータを開発しており、今回開発したものと合わせ2種類のセパレータを持つことになる。
これに伴い、韓国企業との合弁によるセパレータ生産会社と、同セパレータを販売するための100%出資の販売子会社を韓国国内に設立し、今後「リエルソート」のブランド名でLIB用セパレータの生産・販売事業を本格的に展開する方針だ。
同社は、LIBセパレータ市場を牽引するタブレットPCや自動車など高容量、高エネルギー密度のLIBに向けて今後幅広く採用拡大を目指す。
既に複数の大手電池メーカーによる認定を受けており、製品の出荷段階で、今後は、韓国での本格生産を進め、次世代LIB仕様としてデファクトスタンダード化を図る方針。2020年には売上高200億円を目指す。