【ボルボ XC60 試乗】高められた動力性能で余裕の走り…松下宏

試乗記 輸入車
ボルボXC60 TSオーシャンレース・エディション
ボルボXC60 TSオーシャンレース・エディション 全 6 枚 拡大写真

ボルボ『XC60』は、このモデルからボルボのクルマ作りが変わってきたともいえる存在。外観デザインがアグレッシブさを強調するようになったのはややボルボらしからぬ印象もあるが、ボルボの進化が見て取れるモデルでもある。

【画像全6枚】

2011年10月には4気筒エンジンを改良するともに、オーシャンレースを記念した特別仕様「TSオーシャンレース・エディション」を設定した。この改良型エンジンを搭載したモデルに試乗したのでレポートしておきたい。

外観デザインは特別仕様車の専用色が採用されたほか、オーシャンレースにちなんだエンブレムや波の動きにインスパイアされてデザインしたアルミホイールなどが特徴。インテリアにもオーシャンレースにちなんだデザインが採用されている。

試乗したT5 LE特別仕様車の搭載エンジンは、直列4気筒2.0Lのターボ仕様で、177kW/320Nmのパワー&トルクを発生する。従来の仕様に比べると大幅に動力性能が向上した。

わずか1800回転で最大トルクを発生するので、動力性能の余裕は十分。4気筒車は2WDなのだが、ボディが大きめなこともあって車両重量は1810kgとけっこう重い。でも、その重さを感じさせない力強い走りを見せる。大幅なパワーアップが図られた上に、最大トルクを発生する回転数がわずか1800回転と低いので、低速域から余裕の走りが感じられる。

組み合わされるトランスミッションは湿式デュアルクラッチ(DCT)のギアトロニック。湿式タイプは微妙なショックが抑えられ、より上質な変速フィールを感じさせる。

全高の高いSUVで、アイポイントも高めなので、コーナーなどではそれなりにロールも出る。このロールはゆったりした姿勢変化なので不安感はない。むしろ懐の深さを感じさせるような挙動だ。

いくつかの専用装備を備えた特別仕様車なので、価格は559万円とベース車に比べて50万円ほど高くなった。このクラスの輸入車のSUVとしては納得レベルの価格だが、ベースのT5 LEならより安く手に入る。安全装備のシティセーフティは標準で装備され、人間を認識して停車するヒューマンセーフティはほかの安全装備とセットで20万円のオプションとされている。

XC60の難点はボディの全幅が1890mmとかなり大きいこと。全高の高さと合わせて駐車場事情の許す人でないと買えないクルマだ。

■5つ星評価
パッケージング:★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★

松下宏|自動車評論家
1951年群馬県前橋市生まれ。自動車業界誌記者、クルマ雑誌編集者を経てフリーランサーに。税金、保険、諸費用など、クルマとお金に関係する経済的な話に強いことで知られる。ほぼ毎日、ネット上に日記を執筆中。

《松下宏》

【注目の記事】[PR]

レスポンス公式TikTok

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 「間違いなく正解」新型トヨタ『RAV4』がSNSで話題沸騰! 注目グレードはやはり「GRスポーツ」
  2. ダイハツ『ミゼットX』に大阪バージョンが登場!“ソロキャン”向けの単座仕様に…Japan Mobility Show KANSAI 2025
  3. トヨタがスーパーカー『GR GT』発表、4リットルV8ツインターボで650馬力以上…オールアルミ骨格採用
  4. 初代『NSX』が現代に甦る、ピニンファリーナデザインのスーパーカー「Tensei」発表…伊JAS
  5. 最新機種の“魅力”を解剖! ナビ力もエンタメ力も随一、孤高のハイエンド機『サイバーナビ』![メインユニット最前線]
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
  3. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  4. SUBARUの次世代アイサイト、画像認識技術と最新AI技術融合へ…開発にHPEサーバー導入
  5. 「ハンズオフ」は本当に必要なのか? 高速での手離し運転を実現したホンダ『アコード』を試乗して感じた「意識の変化」
ランキングをもっと見る