【ホンダ N BOX 試乗】何でも1番を目指したホンダの気合…松下宏

試乗記 国産車
ホンダ N BOX
ホンダ N BOX 全 10 枚 拡大写真

軽自動車には規格の制約があって、どう作ってもほかのクルマと同じになってしまう部分が多いもの。なのにホンダの『N BOX』ときたら、その軽自動車の規格の中で何でも1番って感じで、徹底して気合を入れたクルマ作りをしてきた。

全長と全幅はもちろん軽自動車の規格いっぱい。で、全高や、室内長、室内高が軽自動車で1番、ホイールベースはFF系軽自動車で1番、室内幅や自然吸気仕様とターボ仕様のエンジンの動力性能などは同点1位、横滑り防止装置のVSAを全車に標準装備したのは軽自動車で初めて、といった具合で、そんなにムキにならなくてもいいんじゃない!? って思わせるくらいに徹底して1番狙いだ。

結果、室内の広さは断然という感じ。後席のスライドこそないものの、ダイブダウンさせたり、チップアップさせると後部には大きな空間が生まれる。これが軽自動車の広さかと思う。

走りも悪くない。背の高いボディは軽自動車としてはちょっと重いクルマにつながっているが、自然吸気エンジンでも良く走る。背の高さは重心高の高さにつながり、コーナーの走りはどうかと思ったが、このあたりもしっかりやってきた。

ただ、自然吸気エンジンの搭載車は標準系だと13インチタイヤでフロントスタビライザーが装着されない。カスタム系はグレードによって13インチからターボ仕様車の15インチまであるが、いずれもフロントにスタビライザーを装着する。

スタビ付きのほうがステアリングを切り始めたときの安心感が大きいので、標準系にも装着して欲しい。ちなみにカスタム系のLパッケージの14インチ仕様がなかなか良かった。

エンジンはホンダの軽としては初めてCVTと組み合わされ、自然吸気仕様にはアイドリングストップ機構も採用された。クルマが止まるとほぼ確実にエンジンが停止するし、再始動時の振動や騒音も軽自動車としては良く抑えられているほうだ。

ホンダらしくないのは基本コンセプトがタントの後追いであること。ホンダが気合を入れて軽自動車を作るなら、ゼロから発想したクルマが欲しかった。

軽自動車としては高めの価格帯となるが、前述の横滑り防止装置の標準装備など、充実した装備を考えたら納得できる。軽自動車の中でも上等なクルマと考えたら良い。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★★

松下宏|自動車評論家
1951年群馬県前橋市生まれ。自動車業界誌記者、クルマ雑誌編集者を経てフリーランサーに。税金、保険、諸費用など、クルマとお金に関係する経済的な話に強いことで知られる。ほぼ毎日、ネット上に日記を執筆中。

《松下宏》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 【スズキ ソリオ 新型試乗】乗り心地と静粛性はクラストップ、だが「損をしている」と思うのは…中村孝仁
  2. 世界最高級ピックアップトラック誕生!? トヨタ『センチュリーピックアップ』の可能性
  3. ついにハイブリッド化! 新型トヨタ『ランドクルーザー300』の発表にSNSでは「バク売れの予感」など話題に
  4. 日産 リーフ 新型を発表、第3世代は航続600km超のクロスオーバーEV
  5. 伝説のACコブラが復活、「GTロードスター」量産開始
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 低速の自動運転遠隔サポートシステム、日本主導で国際規格が世界初制定
  2. BYD、認定中古車にも「10年30万km」バッテリーSoH保証適用
  3. 「やっと日本仕様が見れるのか」新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』ついに上陸! 気になるのはサイズ?価格?
  4. 独自工会、EV減速でPHEVに着目、CNモビリティ実現へ10項目計画発表
  5. 三菱が次世代SUVを初公開、『DSTコンセプト』市販版は年内デビューへ
ランキングをもっと見る