【BMW 3シリーズ 試乗】6気筒の必要性を感じさせない…森野恭行

試乗記 輸入車
BMW 328i
BMW 328i 全 6 枚 拡大写真

BMWの中核を成す重要モデルだけに、6代目(コードネームはF30)も冒険を避け、手堅くまとめた印象がある。しかし、スタイルの洗練度は『5シリーズ』以上に高く、内装の質感もクラストップレベル。たとえBMWのファンでなくても、大いに所有欲をくすぐられる魅力を備えている。

走りに関しては、4気筒2リットル直噴ターボに変わった心臓と、8速ATのマッチングの良さが、まず目を引くところだ。2.8リットル相当を意味する「328i」の名から期待する以上の力強い動力性能と、BMWのエンジンならではのスムーズネス、そして時代が要求するエコ性能を上手にバランスさせている。「6気筒の必要性を感じさせない」というのが、偽らざる感想だ。
 
だが、シャシー性能はボクの期待値を下回っていた。そこで引っかかるのは、試乗車のタイヤ空気圧が規定値にセットされていなかった疑いが強い点。とくに後輪は「入れすぎ」の印象が強く、乗り心地の突き上げ感(バタバタしていた)や、限界時のリヤのナーバスな動き、そして操舵に対する応答性や反力に一体感を欠く点に、そのネガが表れていた。
 
直進安定性やコーナリング性能など、基本となる能力は高いレベルにあることが確かめられたので、タイヤの空気圧設定さえ正しければ、印象はガラリと変わっていたと思われる。その点に関しては、機会を改めて検証したいと思っている。

■5つ星評価
パッケージ ★★★★
インテリア/居住性 ★★★★★
パワーソース ★★★★★
フットワーク ★★★(暫定)
オススメ度 ★★★★

森野恭行|カーレポーター
自動車専門誌のアルバイト、編集プロダクションの社員を経て、84年からフリーのカーレポーターとして活動をしております。生来のクルマ好き……、昔なら「カーキチ」と呼ばれる人種で、スモールカーから高級サルーン、高性能スポーツカー、はたまた2~3t積みトラックまで、機会があればどんなクルマでもとことん試乗をしてきました。今の時代、自動車に対する逆風も吹いていますが、「クルマは人の生活を豊かにするモノ」、「クルマの運転は楽しい!」が私のモットー。出会ったクルマの個性や魅力、そして開発者が担当モデルにこめた情熱などを、新車紹介や試乗インプレッションなどを通して読者の皆さんにわかりやすくお伝えすることを心がけています。AJAJ(日本自動車ジャーナリスト協会)会員。1963年生まれ。

《森野恭行》

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