国内におけるディーゼル車のイメージが変わるかもしれない。石原慎太郎東京都知事は16日の会見でこう話した。
「私は必然的にディーゼルで走るクルマが増えざるを得ないと思うし、けっこうなことだと思う」
振り返ると、国内におけるディーゼル車への逆風は、この10年来が吹きやんだことはなかった。原因はディーゼル車が排出する粒子状物質で、石原氏はこれが大気汚染の主原因だと、99年から大幅な規制強化に乗り出す。
この時、黒煙に含まれる粒子状物質の入ったペットボトルを会見で振りまわしたパフォーマンスは、今もディーゼル車の負のイメージの象徴となっている。
東京都環境局のウェブサイトには、「ディーゼル車規制総合サイト」が設置され、そのページにあるQ&Aの第1問は今も「なぜディーゼル車は環境に悪いのか?」だ。
しかし、バスやトラックに対する粒子状物質の排出規制基準を制定し、減少装置の取付を義務づけた後、大気汚染の改善に顕著な効果が出た。現在の石原氏は冷静だ。
「欧州へ行くとほとんどがディーゼルですよ。たまたまダボス会議に行ったときに渋滞でホテルまで歩いたんだが、止まっているクルマがみんなディーゼルだったが、排気ガスの臭いが日本と違うんです」と体験を披露。
「まだ、全般的なものではないが、日本の業界も工夫して協力してくれるようになった」と条件付きながら「歴史的には必然だと思う」と、かつてとは様子が異なり肯定的だった。