【トヨタ アルファード 試乗】静かで力強い走りと税制上の有利さと…松下宏

試乗記 国産車
トヨタ アルファード/ヴェルファイア
トヨタ アルファード/ヴェルファイア 全 10 枚 拡大写真

トヨタ『アルファード』は2008年5月のフルモデルチェンジで『ヴェルファイア』との姉妹車になったとき、ハイブリッド車が設定されず絶版になっていた。それが2011年9月のマイナーチェンジでヴェルファイアともにハイブリッド車を設定してきた。

今回は、アルファードは豪華装備を持つ最上級グレードのハイブリッドSR Cパッケージに、ヴェルファイアは中間グレードのハイブリッドVに試乗した。ハイブリッド車は7人乗りだけの設定だ。

ハイブリッドシステムは、かつて設定されていたエスティマハイブリッドと共通のミニバン用システムを採用する。直列4気筒2.4Lエンジンに電気モーターを組み合わせるほか、後輪をモーターで駆動する4WD車だ。

既存車をベースにハイブリッド化したため、電池の搭載位置が問題になるが、居住空間やラゲッジスペースに影響を与えないよう運転席と助手席の間のセンターコンソールの下に搭載した。

これによって室内空間には影響を与えなかったが、前席から2列目以降へ室内を移動するウォークスルーはできなくなった。狭い場所でスライドドアから乗り降りしたくても、それができないから多少の制約を受ける。

アルファードは最上級グレードなので 本革シートや後席のエグゼクティブパワーシートなど豪華な装備が用意されていた。ヴェルファイアの中間グレードも必要な装備はほぼ標準で用意されている。

乗降性はあまり良くない。運転席のシート高がやや高めなので、アシストグリップをつかんでよじのぼるような感じになる。後席へもステップを踏んで階段を登るような感じになる。

2.4Lエンジン+電気モーターの走りは静かで滑らか。EVモードを選択すれば、電池の残量にもよるがモーターだけで静かに走っていく。ハイブリッド車ならではの静粛性の高さだ。

信号待ちなどで停車すればエンジンが停止するし、逆に思い切りアクセルを踏み込めばとても力強い加速が得られる。

2012年4月以降もエコカー減税で自動車取得税と自動車重量税に100%減税が適用されるので、購入時の負担が軽くなる。これを含めて考えると、今ではあえてガソリン車を選ぶ意味はないように思う。

アルファードの試乗車は車両本体価格が565万円で30万円を超えるプリクラッシュセーフティシステムなどいくつかのオプションを装着して軽く600万円を超えるクルマになっていた。

エコカー減税とエコカー補助金をざっと計算すると40万円を超え有利さがあるが、いずれにしても相当な購入予算が必要なクルマであるのは間違いない。

■5つ星評価
パッケージング:★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★

松下宏|自動車評論家
1951年群馬県前橋市生まれ。自動車業界誌記者、クルマ雑誌編集者を経てフリーランサーに。税金、保険、諸費用など、クルマとお金に関係する経済的な話に強いことで知られる。ほぼ毎日、ネット上に日記を執筆中。

《松下宏》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 「やっと日本仕様が見れるのか」新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』ついに上陸! 気になるのはサイズ?価格?
  2. ようやくですか! 新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』日本仕様初公開へ…土曜ニュースランキング
  3. トヨタ『ランドクルーザー300』初のハイブリッド登場!実現した「新時代のオフロード性能」とは
  4. 【マツダ CX-60 XD SP 新型試乗】やっぱり素のディーゼルが一番…中村孝仁
  5. シートに座ると自動で送風開始、取り付け簡単「クールカーシート」2モデルが発売
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 米国EV市場の課題と消費者意識、充電インフラが最大の懸念…J.D.パワー調査
  2. 低速の自動運転遠隔サポートシステム、日本主導で国際規格が世界初制定
  3. 「やっと日本仕様が見れるのか」新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』ついに上陸! 気になるのはサイズ?価格?
  4. BYD、認定中古車にも「10年30万km」バッテリーSoH保証適用
  5. 「あれはなんだ?」BYDが“軽EV”を作る気になった会長の一言
ランキングをもっと見る