トヨタ豊田社長「自分たちの使命を忘れていた」
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トヨタは21世紀に入ってから急拡大を続け、役員をはじめ社員の間で“つくれば売れる”という意識が強まってしまった。同時に、将来のお客が求めるであろうクルマよりも、今売れるクルマにシフトした。
その結果、タクシーなど、あるお客にとって本当に必要なクルマや、スポーツカーのようにクルマの魅力を伝えるものがなくなってしまったわけだ。「台数や収益という本来結果であるものが目的になってしまい、技術や生産、工場など、もっといいクルマをつくるために必死になる人たちまでも数字に縛られるようになった」と豊田社長は振り返る。
豊田社長は09年の社長就任以来、数字のことをいわずに「もっといいクルマをつくろうよ」と言い続けた背景にはこんなことがあったわけだ。現在、社員の意識や企業風土も変わりつつあり、これまでのトヨタでは販売できなかった個性的なクルマがこれから続々と出てくるそうだ。
《山田清志》