【マツダ CX-5 試乗】日本のSUVきっての高性能エンジン…河村康彦

試乗記 国産車
マツダ CX-5
マツダ CX-5 全 6 枚 拡大写真

“デザインのマツダ”としてはそのルックスが少々モダーンさに欠ける(!?)のが残念ながら、乗れば「さすがはオールニュー」と納得させてくれるのがこのモデル。

ガソリンエンジンにディーゼルエンジン、FWDに4WD…と複数のモデルをチェックしたものの、まず共通して感じられるのはボディコントロールがしっかりと効いたその乗り味の良さ。仕様によってやや差を感じたものの、基本的にはハンドリング感覚もスッキリ。パワーステアリングは燃費意識のフル電動式ながら、操舵感の不自然さなど特にネガティブな印象を受ける事はなかった。

日常シーンでの動きを考えるならば、変速感はしっかり残るもののショックが気にならないATと組み合わされた自然吸気のガソリンエンジン車でも不満はないもの。が、そこからディーゼルエンジン車に乗り換えてしまえば、ガソリン仕様とは比べ物にならない強靭な動力性能に、誰だって「こっちの方が走りが良い」と感じるに違いない。

4リッター級ガソリンエンジンと同等以上の最大トルクをわずかに2000rpmで発しつつ、そのまま軽く5000rpm以上まで吹け切るこのモデルのツインターボ付ディーゼルユニットは、単なる低燃費エンジンなどではなく、日本のSUVの心臓きっての”ハイパフォーマンス・エンジン”なのだ。

それを、「ガソリンモデルに対して燃費が余り優れない」だの、「ガソリン車比で価格が高過ぎる」などと評するのはお門違い。マツダも、「ガソリンモデルとは走りの次元が全く異なる」という部分を、もっと明確にプロモーションすべきだ。

いずれにしても、もはや“死に体”に等しかった日本のディーゼル乗用車が、これほど高い実力と共に復活してくれたのは喜ばしい限り。これを機に、欧州発のディーゼルモデルもどんどん上陸し、これまで日本のユーザーには”未知の世界”だった本場のディーゼルモデルの新鮮なテイストを味わわせて欲しい。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★
パワーソース:★★★★★(ディーゼル)/★★★★(ガソリン)
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★★

河村康彦|モータージャーナリスト
1985年よりフリーランス活動を開始。自動車専門誌を中心に健筆を振るっているモータージャーナリスト。ワールド・カーオブザイヤー選考委員、インターナショナル・エンジンオブザイヤー選考委員。

《河村康彦》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 「ハンズオフ」は本当に必要なのか? 高速での手離し運転を実現したホンダ『アコード』を試乗して感じた「意識の変化」
  2. 「強烈な需要がありそう」スバルの3列シートSUV『アセント』が今、SNSで話題に
  3. 三菱『パジェロ』7年ぶり日本復活か!? 日産 パトロール 派生モデルの可能性も
  4. シボレー『コルベット』がニュルブルクリンクで「米国メーカー最速ラップ」樹立
  5. 「泥が似合うグレードを!」三菱『パジェロ』がPHEVで復活!? スクープ情報にSNS沸く
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. ブレンボが新ブレーキ開発、粒子状物質を削減…寿命も最大2倍に
  3. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
  4. スズキ初のBEVはなぜ「軽EV」じゃない?『eビターラ』開発者が語る「EVの悪循環」と「スズキの強み」
  5. 湘南から走り出した車、フェアレディZやエルグランド…日産車体が量産終了へ
ランキングをもっと見る