トヨタ自動車の布野幸利副社長は25日、東京本社で記者会見し、新興国専用のコンパクトカーを合計で8台投入し、シリーズの世界での販売を年100万台とする計画を発表した。
トヨタは2010年12月にインドで、同国向けに開発した専用モデル『エティオス』を発売しており、同車を皮切りに順次、専用車種を拡大する。価格は「100万円前後、あるいは一部上級グレードについては130万円前後になる」(布野副社長)という。
今年後半にはブラジルのソロカバ新工場で、エティオスと同様の専用モデルを生産・販売する。また、中国では4月の北京モーターショーで参考出品したコンパクトカー『チン』(セダンとハッチバック)を2013年から同国の合弁2社で生産・販売する計画としている。
タイや、インドネシアなどでも同様の展開を図り、新興国専用コンパクトカーの市場投入は100以上の国・地域に広げる方針。
布野副社長は、100万台の達成時期について「すでに事業展開を進めており、2015年ないしは、それ以前に到達する」との見通しを示した。また、計画の達成に向けては「研究・開発体制の現地化が重要」とし、タイのR&D拠点であるTMAP-EM社の人員増強や、人材育成の強化を推進する考えを表明した。