【トヨタ 新型カローラ 発表】我慢の10%…軽量化への苦悩

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トヨタ・カローラフィールダー
トヨタ・カローラフィールダー 全 6 枚 拡大写真
トヨタ自動車が11日に発売した新型『カローラ フィールダー』にはトヨタとして初となる樹脂製バックドアが採用されている。バンパーに使われているものと同じ素材を使い、従来の鉄板製ドアに比べ2.5kg、約10%の軽量化を実現したという。

製品企画を担当した中村寛主査は、最終的に樹脂製ドアの採用を決めたのはわずか1年半前で、それまでの間は「鉄板(ドア)の開発と樹脂の開発を並行して行っていた」と明かす。「今回トヨタで初めて樹脂にするので、万が一樹脂でうまくいかなかった際、発売時期を遅らせるわけにはいかなかった」と、その理由を語った。

中でもネックになったのが信頼性だという。「強度が必要となるところは、金属締結を行った上で樹脂を使って軽量化していくが、強度や安全面を重視していくと、軽量化ができない。軽量化を実現しつつも、従来の鉄板と同じ安全性を確保するのにとても苦労した」と振り返る。

その一方で中村主査は「そもそもバックドアは内張りやスポイラー部分は樹脂で構成されており、鉄と樹脂を組み合わせた製品。その構造をうまく見直して鉄と樹脂の比率を樹脂寄りへと大きく変えた」と話す。具体的には「今まで鉄9に対し樹脂1というイメージだったところを、鉄2に対し樹脂が8くらいにした」。その上で、コストは「ほぼ同等」という。

こうした産みの苦しみを経て実現した10%の軽量化について中村主査は、「気持ちの上ではもうちょっとやりたかった」としながらも、「万が一市場で問題を起こさないように、まずは安全、信頼性を確実に確保することを優先した。ある意味少し我慢した上での10%の軽量化だが、今後はもう少しブラッシュアップしていかなければならないと思っている」と意欲を示した。

《小松哲也》

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