【ワイヤレスジャパン12】リアルタイム通訳が進化…ドコモ

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リアルタイム通訳電話サービスがバージョンアップで展示される
リアルタイム通訳電話サービスがバージョンアップで展示される 全 8 枚 拡大写真

●多言語対応で異文化コミュニケーション

 Wireless Japan 2011のNTTドコモブースでは、リアルタイム通訳電話サービスが大きな話題となった。今年は、このサービスがさらに進化させた形で登場する。

 同サービスは、日本語で話した会話が、電話網を通じて同社のクラウド上の翻訳エンジンで認識・翻訳され、相手側の言語として読み上げられてリアルタイムに伝わるユニークなサービスだ。昨年の段階で、リアルタイム通訳電話サービスは英語のみの対応だったが、今年3月までの試験サービスで韓国語、中国語も可能になった。さらに6月1日から第2回目の試験サービスが始まるという。対面利用のみだが、ヨーロッパ系の言語としてドイツ、フランス、イタリア、スペイン、ポルトガルの5ヵ国語と、さらに東南アジア系の言語としてタイ、インドネシアの2カ国語も追加対応するという。これで合計で10ヵ国の多言語翻訳が可能になった。

 NTTドコモの清水貴司氏(研究開発センター ネットワーク開発部 ネットワーク方式担当)は「コミュニケーションを分断せず、テンポよく翻訳できるようなリアルタイム性を担保するために、認識した言語から逐次翻訳していく工夫を凝らしました。また翻訳精度や認識精度も向上しました。周囲の騒音で誤動作しないように、ノイズをキャンセルする技術が盛り込まれています」と説明する。このほかにも、使い始めるまでの手順を簡略化したり、読み上げリピート機能などを追加したそうだ。

 同サービスは今年度中にも本格運用される予定だが、試験サービスでは7割以上のユーザーがまた利用したいという回答をしたため、需要もかなり高そうだ。今後は対応言語をさらに増やし、より翻訳精度も高めることによって基礎技術を確立し、一般的なコミュニケーションツールにまで昇華させていきたいという。NTTドコモの展示ブースでは、フランス・中国・韓国などのネイティブスピーカーを招き、実際に会話を試せるようにする予定だ。まだリアルタイム翻訳サービスを利用したことのない方は、本当に使えるのか実力の程を試せるよいチャンスになるだろう。

●逆翻訳で翻訳の正しさを確認できる「メール翻訳コンシェル」も新登場

 一方、音声通話の翻訳サービスのみならず、テキスト(メール)による翻訳も可能な「メール翻訳コンシェル」も出展する予定だ。このサービスは、テキストを入力すると、クラウド上で翻訳を行い、その変換結果を高速に返してくれるもの。NTTドコモの鈴木偉元氏(研究開発センター ネットワーク開発部 ネットワーク方式担当 担当課長 情報学博士)は、「変換した結果をさらに逆翻訳することにより、それが本当に意図通りに通じるのか確かることができる点が大きな特徴です。また翻訳精度を向上するために、地名や時事ネタなども含めて翻訳エンジン側の定期的な更新も行っています。これからも“言葉の壁を越える”というキーワードで、本サービスの認知度を高めていきたい」と語る。翻訳結果はボタンひとつで、メールやSNSなどのアプリケーションと連動して活用できる。対応OSはAndroid 2.2および2.3で、その他も順次対応する予定だ。同サービスは6月1日から提供を開始するが、ひと足先にNTTドコモブースで触れることができる。

 また、スマートフォンに向かって「調べたいこと」や「やりたいこと」を話すだけで、欲しい情報・機能にアクセスできる「しゃべってコンシェル」もバージョンアップした。飯塚真也氏(先進技術研究所 コミュニケーションメディア研究グループ)によると、意図解釈機能の強化によって、質問に対して検索結果を表示するのではなく、回答そのものがダイレクトに戻ってくるようになったという。雑談や雑学など、かなり幅広いジャンルの質問にも答えてくれる点が嬉しいところだ。たとえば、「スカイツリーの高さは何メートル?」「スイスの首都は?」「世界貿易機関の略称は?」などを聞いてみると、正確に答えがかえってくる。興味のある方は会場で実際に確認してみてほしい。

【Wireless Japan 2012】翻訳で広がるコミュニケーション!リアルタイム通訳と新コンシェルに注目

《井上猛雄@RBB TODAY》

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