日本ガイシ、波長制御乾燥システムを開発…リチウムイオン電池の製造コスト低減

自動車 ビジネス 企業動向
波長制御乾燥システムを搭載した乾燥試験炉
波長制御乾燥システムを搭載した乾燥試験炉 全 1 枚 拡大写真

日本ガイシは、リチウムイオン電池やキャパシタの電極板、セパレータなどの乾燥工程の時間を従来の方法に比べて半分以下に短縮し、乾燥炉のエネルギー効率を大幅に高める波長制御乾燥システムを開発した。

フィルムや箔などに塗布された溶液を熱風で乾燥させる従来の方法は、乾燥時間が長い上、膨大な加熱エネルギーが必要で、エネルギー効率が低いという問題があった。

今回開発したシステムは、塗布された溶液中の溶剤を蒸発させるのに有効な波長の赤外線を、選択的に照射するため、乾燥時間を50~70%短縮、これによって乾燥炉のエネルギー消費量も30~50%削減できる。高価なリチウムイオン電池の製造工程のコストダウンに貢献する。

乾燥炉内を100度以下に保つ低温乾燥が可能なため、発火の恐れのある溶剤や熱に弱いPET(ポリエステル)フィルムなどの乾燥にも適用できる。乾燥炉の長さも50~70%短くできるため、設置スペースを大幅に削減でき、同じスペースであれば、従来の乾燥方法と比べて生産能力を2~3倍増強できる。

システムは、リチウムイオン電池の電極板の乾燥工程に採用され、顧客の量産ラインで近く稼働する予定。さらに、キャパシタの電極板やセパレータ、薄型ディスプレーのフィルムやシートなどの乾燥工程にも適用が拡大している。

同社では今後、新たな用途の開発と需要の開拓を進め、3年後に売上高30億円、5年後に100億円を目指す。

《レスポンス編集部》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 「TWIN TURBOのロゴ懐かしい!」Z32ファン感涙、レトロ感あふれる新型『フェアレディZ』が話題に
  2. メルセデスベンツ、全固体電池搭載『EQS』で1205km無充電走行を達成
  3. 「めっちゃカッコよくない?」無限仕様の新型『プレリュード』が話題に、SNSではホイールにも「たまらない」の声
  4. アイシンが明かす、トランスミッションの膨大な経験値とノウハウが電動化を主導する理由
  5. 「動画を観る」もっとも良い方法とは? トヨタ車純正ディスプレイオーディオ搭載車の場合は?[車内エンタメ最新事情]
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
  3. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  4. SUBARUの次世代アイサイト、画像認識技術と最新AI技術融合へ…開発にHPEサーバー導入
  5. 「ハンズオフ」は本当に必要なのか? 高速での手離し運転を実現したホンダ『アコード』を試乗して感じた「意識の変化」
ランキングをもっと見る