【ジャガー XFR 試乗】375kW/625N・mの圧倒的パフォーマンス…松下宏

試乗記 輸入車
ジャガー・XFR
ジャガー・XFR 全 9 枚 拡大写真
ジャガー『XFR』に2週間ほどにわたりじっくりと試乗した。『XF』は今ではジャガーのエントリーモデルだが、XFRはそのパフォーマンスモデルとしてV型8気筒5.0リッターのスーパーチャージャー仕様エンジンを搭載する。

外観デザインはXFからジャガーのデザインが変わったと言われる先進的かつエレガントなもので、試乗車のボディカラーが赤だったので、十分に派手な印象ながら、エアロパーツなどは控えめに装着されてさりげなくパフォーマンスを表現していた。

インテリアは本革シートやカーボンパネルなどによってジャガーならではの質感が表現される。シートは手触りや座り心地、ホールド性など、いろいろな面で良くできている。

運転席に乗り込むと、センターコンソールの前方に、心臓の鼓動を示すかのようにスタートボタンが点滅し、ボタンを押すとダイヤル式のセレクターが競り上がってくる。このおもてなしの儀式は今やジャガー各車に採用されている。

375kW/625N・mの動力性能が生み出すパフォーマンスは文字通り圧倒的なもの。背中を押されるように力強く加速していく。

発進時に不用意にアクセルを開けば直ちにトラクションコントロールが効きだすし、走行中のシーンによっては横滑り防止装置のDSCが効きだす前にクルマが横を向きそうになる。走行モードの選択にもよるが、心して運転することが求められるクルマでもある。

長期間の試乗中には高速道路はもちろん、箱根や赤城山のワインディングなども試した。大柄なボディでフロント部分も重い割にはワインディングでも想像する以上に軽快に走れることに驚かされた。

試乗期間中の燃費は7.3km/リットルでカタログ燃費を上回ったが、これは高速走行を中心に乗っていた(平均車速59km/h)ためだ。ただ、燃料タンク容量があまり大きくないので、ガソリンスタンドに立ち寄る回数が多くなった。燃費というよりも航続距離の短さに不満が残った。

■5つ星評価
パッケージング:★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★

松下宏|自動車評論家
1951年群馬県前橋市生まれ。自動車業界誌記者、クルマ雑誌編集者を経てフリーランサーに。税金、保険、諸費用など、クルマとお金に関係する経済的な話に強いことで知られる。ほぼ毎日、ネット上に日記を執筆中。

《松下宏》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. スバル『フォレスター』試乗して分かった日本車に対する本音とは…9月の試乗記ベスト5
  2. Z32ファン感涙、レトロ感あふれる『フェアレディZ』が話題…9月の新型車記事ベスト5
  3. ハイエースの牙城を崩すか、個性的デザインの「EVバン」が日本上陸…キア『PV5』発売は2026年春
  4. レクサスの最高峰セダン『LS』36年の歴史に幕、SNSでは「センチュリーが後継モデルに?」との期待も
  5. 「かっこよすぎて悶える」ホンダ『プレリュード』レーシングカー公開!SNSでは「来年が楽しみ」と活躍に期待
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
  3. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  4. SUBARUの次世代アイサイト、画像認識技術と最新AI技術融合へ…開発にHPEサーバー導入
  5. 「ハンズオフ」は本当に必要なのか? 高速での手離し運転を実現したホンダ『アコード』を試乗して感じた「意識の変化」
ランキングをもっと見る