貧困が子どもに与える影響は少ない 内閣府調査

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普段の健康状態に関する回答結果
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 内閣府政策統括官は7月3日、2011年度「親と子の生活意識に関する調査」を発表した。貧困が親や子どもに与える影響について、親には顕著に表れているが、子どもにはそれほど表れていないという。

 本調査は、全国の中学3年生4,000人とその保護者4,000人の計8,000人を対象に、2011年10月27日~11月6日まで調査員による訪問回収法で実施した。「家庭環境の違いが、子どもの将来の見通しや学習への志向性などの意欲関心に影響を与えている」という仮定のもと、子どもにとって不利な要因を改善するためには、どのような支援が必要か検討することを目的に行ったという。

 普段の健康状態について、「悪い」と回答した割合は、親調査によると、相対的貧困層(29.1%)、相対的貧困層でない層(14.1%)であった。一方、子どもの調査によると、相対的貧困層(7.2%)、相対的貧困層でない層(5.0%)であった。また、自己肯定感について、「自分自身に満足している」と回答した割合は、親調査によると、相対的貧困層(43.0%)、相対的貧困層でない層(61.5%)であった。一方、子どもの調査によると、相対的貧困層(42.5%)、相対的貧困層でない層(46.5%)であった。この結果から、貧困が健康面や精神面に与える影響は、親には顕著に表れているが、子どもにはそれほど表れていないことが分かる。

 学歴の見込みについて、「大学・大学院までを理想的学歴」と回答した割合は、親調査によると、相対的貧困層(35.5%)、相対的貧困層でない層(65.0%)であった。一方、子どもの調査によると、相対的貧困層(35.1%)、相対的貧困層でない層(64.6%)であった。この結果から、相対的貧困層では相対的貧困層でない層より、親子ともに理想的学歴が低いことが分かる。

 なお、相対的貧困層の定義は、厚生労働省が公表している相対的貧困率の算出方法を参考にしており、相対的貧困層に該当する割合は14.2%である。

 必要な支援策として、「子どもの教育費に対する金銭的給付」(63.4%)がもっとも高く、次いで「保護者が家にいないときに子どもを預かる場やサービスの提供」(37.7%)、「自然体験、集団遊びなど、子どもに多様な活動機会の提供」(30.5%)と続く。何らかの子育て支援が必要と回答した割合は、9割を超える。

 褒める親がいる子ども、親子のコミュニケーションが盛んな家庭に育った子ども、学校で皆の前で褒められた子どもの多くが「自分の将来に希望がある」「満足している」と回答しており、褒められたり、認められたりする経験の有無により、将来に対する意識や自己肯定の意識に差がみられる。また、「努力すれば夢や希望が実現する」と思う親の子は、家計の状況に関わらず親と同様に前向きな回答をしていることが多いという。

貧困が子どもの健康面や精神面に与える影響は少ない…内閣府調査

《工藤 めぐみ》

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