ゴルフヴァリアントのトレンドラインに搭載されるエンジンが1.4リッターのTSIから1.2リッターのTSIに変更されるとともに、ブルーモーション・テクノロジーを採用して登場した。
1.2リッターのTSIエンジンはゴルフやポロには搭載されていたが、ヴァリアントでは初の搭載。ややボディが重く荷物を積むことも多いワゴンボディに対して排気量ダウンがどうかと思ったが、77kW/175Nmの動力性能でも十分といった印象だった。
1.8リッターエンジン並みのトルクをわずか1500回転の段階から発生するので、走行中にはほとんどずっと最大トルクの領域で走っているようなもの。走りに不満があるはずがない。
今回のブルーモーション・テクノロジーでは、スタート/ストップシステム(アイドリングストップ機構)やブレーキエネルギー回生システムが採用されている。
アイドリングストップ機構は良く止まる印象があり、停止した後はなるべく停止状態を維持しようとするような制御がなされている。日本車と違ってステアリングを動かしてもエンジンがかからないのはその典型例だ。
ただ、再始動するときの振動や騒音はそれなりといった感じ。日本のユーザーだと気にする人が多いかも知れない。試乗してしっかり確認したい。
環境技術の採用で、従来の1.4リッターのTSIトレンドラインが16.4km/リットルだったのに対し、1.2リッターのTSIトレンドライン・ブルーモーション・テクノロジーは18.4km/リットル(JC08モードでは19.0km/リットル)に向上した。エコカー減税は75%が適用される。
新しいトレンドラインは、エンジンの排気量が小さくなったが、燃費を向上させて快適装備などを追加しながら、価格は従来の1.4リッターのトレンドラインと同じに抑えられた。お得感のある価格設定だと思う。
■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★★
松下宏|自動車評論家
1951年群馬県前橋市生まれ。自動車業界誌記者、クルマ雑誌編集者を経てフリーランサーに。税金、保険、諸費用など、クルマとお金に関係する経済的な話に強いことで知られる。ほぼ毎日、ネット上に日記を執筆中。