「ワイヤーロープ防護柵で重大事故の低減を」...東日本高速山内常務執行役員

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対面通行区間のワイヤーロープ式防護柵について説明する山内泰次常務執行役員(建設事業本部長)
対面通行区間のワイヤーロープ式防護柵について説明する山内泰次常務執行役員(建設事業本部長) 全 3 枚 拡大写真

東日本高速(廣瀨博社長)が11月10日に開通する北海道・道央道(大沼公園IC~森IC)9.7kmの暫定2車線区間の一部で、対面通行による正面衝突を防止するためのワイヤーロープ式防護柵の試行導入が始まる。北海道内の高速道路で初の試み。

暫定2車線区間は道路標示による中央線の上に樹脂製のポール(車線分離標)を立てて、区分するが一般的だ。そのため居眠り運転などのさまざまな要因による対向車線へのはみ出しが原因となる正面衝突など重大事故が発生している。

事故をより小さく抑えるためには、4車線化された高速道路で見られるガードレールやコンクリートブロックなどを使った強固な中央分離帯の設置が望まれるが、暫定2車線で故障車や事故車が車線をふさいだ場合、対向車線を迂回することが必要となり、車両が乗り越えられない中央分離帯を作ると、通行の大きな障害となる。

また、将来拡幅が見込まれる暫定2車線では、大掛かりな中央分離帯を作ることが予算上もできにくかった。

そのため道央道では、新開通する(大沼公園IC~森IC)のうち約1.6kmをワイヤーロープ式防護柵で分離し、その効果を検証することになった。

「ワイヤーロープ式であれば、対向車とすれ違うときの安心感も高まりサービスレベルを向上させることができる。通行障害が起きたときでも、支柱を固定したままワイヤーロープだけを取り外せば、対向車線を通行させることも可能だ。何より重大事故の低減も期待できる」と、建設事業本部長の山内泰次常務執行役員は語る。

また、ワイヤーロープ式防護柵を設置しない区間のうち、5.1kmの区間では、中央線の両側に車線逸脱対策のための凹凸をつけて、乗り上げると振動で注意喚起をする溝工(ランブルストリップス)を設置する対策も施した。なお、大沼公園ICから3kmの区間は、付加車線があり、実質4車線になっている。

積雪寒冷地でのワイヤーロープ式防護柵の効果が認められれば、他の区間への導入が期待できる。

《中島みなみ》

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