【VW パサート オールトラック 試乗】シティアウトドアーズマンにとって合理的選択…金子浩久

試乗記 輸入車
VWパサート・オールトラック
VWパサート・オールトラック 全 6 枚 拡大写真

VW『パサート』のステーションワゴン「バリアント」4輪駆動版。最低地上高を3cm高めたシリーズ追加モデル。3cmは悪路や雪道の凹凸をクリアして走破するためのものだ。

「それだったら、背が高くて、大きなタイヤを履いた『トゥアレグ』や『ティグアン』などのSUVの方が適しているのではないか?」という反論が聞こえてくるかもしれないが、SUVは道なき道を行くような超ヘビーなシーンにこそ本領を発揮するクルマ。そんな道があったとしても日本では関係者以外はなかなか走れなかったりする。

日常生活の99%以上はアスファルトの上を走るクルマとしてSUVは本格的過ぎて、そのデメリットの方が大きくなってしまう。その点、パサートオールトラックのような最低地上高チョイ増しステーションワゴンはシティアウトドアーズマンにとって合理的選択となるのだ。

日本には輸入されなくなってしまったアウディ『A6 オールロードクワトロ』あるいは本格SUVだが『ランドクルーザー』のように最低地上高を運転席のスイッチで上下できるのが理想的なのだが、3cm高くしただけでも好ましい。たった3cmのように思えるかもしれないが、凹凸の激しいオフロードや雪道などでこの3cmは効いてくるからである。

走行性能や快適性などはすでに完成の域に達しているパサートバリアントから受け継いでいるから、静かで滑らかに、よく走る。3cm高いことによるデメリットを感じることはほとんどなかった。

最新の2.0TSIと6段DSGトランスミッションの組み合わせだから、長距離を走っても燃費だって悪くないはずだ。広大な荷室は、あらゆるライフスタイルにもライフステージにも対応できる。

498万円と最も高価なパサートになるが、これだったら新車で買って15年でも20年でも乗れるだろう。

「ちょっと無理して買えば、この先15年か20年はクルマのことで煩わされずに済む」そうした安心感を得られるだけの内容を持っている。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア・居住性:★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★★★

金子浩久|モータリングライター
1961年、東京生まれ。主な著書に、『10年10万キロストーリー 1〜4』 『セナと日本人』『地球自動車旅行』『ニッポン・ミニ・ストーリー』『レクサスのジレンマ』『力説自動車』(共著)など。

《金子浩久》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. BEVを2年間所有した、“リアルな”ランニングコストを大公開
  2. メルセデスベンツの万能車『ウニモグ』がキャンピングカーに! 数日間の自給自足が可能
  3. アルファロメオの新型コンパクトSUV『ジュニア』日本発売、ハイブリッド車が420万円から
  4. メルセデスの名車「190E エボ2」が復刻! 限定100台の「HWA EVO」にハンコック純正装着
  5. ベントレーの超高級住宅、最上階は「55億円」 クルマで61階の自宅まで
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 茨城県内4エリアでBYDの大型EVバス「K8 2.0」が運行開始
  2. 三菱が次世代SUVを初公開、『DSTコンセプト』市販版は年内デビューへ
  3. 「やっと日本仕様が見れるのか」新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』ついに上陸! 気になるのはサイズ?価格?
  4. 低速の自動運転遠隔サポートシステム、日本主導で国際規格が世界初制定
  5. コンチネンタル、EVモーター用の新センサー技術開発…精密な温度測定可能に
ランキングをもっと見る