【NAVITIME ドライブサポーター インプレ後編】多様な機能とインターフェースでカーナビの既成概念を突き崩す

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地図は十分に見やすいが、同時に通信を考慮してデータ量を減らした地図特有のスカスカ感も少し感じられる。
地図は十分に見やすいが、同時に通信を考慮してデータ量を減らした地図特有のスカスカ感も少し感じられる。 全 24 枚 拡大写真

ルート検索ができたらガイドに従って走行する。ガイド機能そのものはごく一般的で、音声案内や交通案内版の表示、インターチェンジやジャンクションのイラスト表示がある。

ルートは一般道が緑、高速道路が薄い青で表示され、曲がるポイントは黄色い矢印で明確に示されるので分かりやすい。ガイド音声はほかのナビアプリと比べても特に流暢で、簡潔か丁寧かでいえば丁寧に説明するタイプだ。

ガイド機能は一般的だが地図上に様々な情報が表示される

ガイド中の地図にも通信による機能が生かされており、駐車場の空満情報やガソリンスタンドの価格が表示される。ガソリンスタンドの横を通るときはつい価格が合っているか見てしまうが、はっきり言って必ず1~3円程度の違いがあった。わざわざ表示しておいてこれでは、とも思うが、安い店、高い店の傾向はわかるので実質的な問題はない。

ドライブサポーターは地図も必要に応じてダウンロードするが、その「鮮度」も魅力のひとつだ。筆者のいる名古屋やその周辺は高速道路も含めて新しい道路の開通が相次いでいて、ほかのナビアプリや車載の純正ナビ、あるいはPNDなどでは新しい道路が表示されなくて困ってしまうのが日常茶飯事となっている。しかし、本アプリでは新しい道路のほとんど全てがすでに地図に反映されていた。これは本当にありがたみを感じる。この春に開通した新東名高速道路については開通した当日に地図表示、ルート検索とも対応できていたというから凄い。

さらに、ドライブサポーターはオービス通知機能を標準で備えていることも特筆しておきたい。有料オプションなどでこの機能を提供しているナビアプリはあるが、追加料金無しの標準機能としているのは珍しい。検索したルート上にオービスがある場合に限られるが、地図上の表示とともに、「速度に注意してください」といったアナウンスで知らせてくれる。

◆PC向けサイトとの連携機能で地点登録、履歴も共有

NAVITIMEはドライブサポーターだけでなく乗り換え案内などさまざまなサービスを提供している。ドライブサポーターを利用するために会員登録すると、PC向けサービスの有料機能も利用可能となり、専用Webサイトを通じてさまざまな連携機能を使うことができる。

ドライブサポーターのアプリでひと通りの設定を行い、ある程度使ったあとなら、PC向けWebサイトにアクセスすれば既に自宅や愛車の登録ができていることが分かるはずだ。このサイトではポイントの検索、ルート検索、渋滞情報の確認、各種割引を反映した有料道路の料金検索などができる。また、ポイントの検索履歴はドライブサポーターアプリと共有化されており、Webサイトで検索した履歴は特別な操作をすることなく、ドライブサポーターアプリから参照できる。

もちろん、地点登録データ「My地点」も共有化されている。ナビアプリを乗り換えると地点登録をやり直すのが非常に手間だが、その作業をすべてPC上でできるのは非常に便利だ。もちろん、不要になった地点を消すとか、グループ分けをやり直す、アイコンや名称を変更するといったメンテナンスもすべてPCでできる。当然ながら、PCでネットを見ていて見つけたショップなどをドライブサポーターアプリに送るといった操作未非常にスムーズにできる。

ただ、残念なのはWebサイトの「Myルート」機能がドライブサポーターアプリにはないことだ。MyルートはWebサイトで検索したルートをまるごと登録する機能。経由地を複数指定したコースを登録できるのでドライブ計画をたてるのに最適だが、PC上でしか使えないのでは魅力半減となってしまう。

◆最新データを活用できるワクワク感

このようにドライブサポーターは通信機能を最大限に生かし、目的地へのガイドだけにとどまらないさまざまな情報を提供してくれる。このアプリを使いこなすと、最新の情報を活用しているという満足感、大げさにいえばワクワク感を味わえる。これがこのアプリの真骨頂といえるだろう。

一方で、様々な機能が搭載されているがゆえに、使いこなしがやや難しくなっている面があることは否めない。例えば目的地を検索してガイドをスタートさせるまでの一連の操作は、初めてだとかなり戸惑う。

その難しさに配慮してか、「Quick Go」という機能が用意されていて、これを使うとたしかにワンタップで目的地設定からルート検索までできる。こうしたユーザーインターフェースは、乗り換え案内などを提供するほかのNAVITIMEアプリとインターフェースを統一しているから、という面もある。そのためNAVITIMEを使い慣れた人には分かりやすいはずだ。

いずれにしても、ドライブサポーターはこれまでのカーナビの既成概念を打ち崩した、斬新な発想の元に開発されたアプリであることがわかる。NAVITIMEは、従来のカーナビにとらわれない、スマートデバイスならではの新機能を今後も提供し続けてくれるだろう。

《山田正昭》

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