ダンロップ、ブレイクスルーを実現した4D NANO DESIGN

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住友ゴム工業 取締役常務執行役員タイヤ技術本部長 西実氏
住友ゴム工業 取締役常務執行役員タイヤ技術本部長 西実氏 全 6 枚 拡大写真

ダンロップが発表した新スタッドレス「ウインターマックス」は、「ダンロップ史上最高の氷上性能」を謳う。その技術的トピックとは何か。

住友ゴム工業取締役常務執行役員タイヤ技術本部長の西実氏は、ブロック剛性アップと接地面積拡大によるエッジ効果を高めた「ミウラ折りサイプ」を改良し、エッジ効果を22%高めた「MAXXシャープエッジ」を紹介。氷上だけでなく、ドライを始めとする様々な路面における操縦安定性能の向上も果たしたという。

そして今回の開発では、既存の考え方を変えるようなブレイクスルーが必要だったと語り「ブレーキング時にブロックが大きく変形することを抑制するマクロ領域での剛性の確保と、アイスバーン表面の凹凸での密着力をアップさせるナノレベルの柔軟性を両立する、という今までのスタッドレスタイヤの材料開発の概念を大きく変える新しいゴムの開発が必要でした」とし、新技術「ナノフィットゴム」を説明した。

新材料開発に使用した「4D NANO DESIGN」は、ゴムの中の分子同士の反応や、分子そのものの動きを予測して、潜在能力を最大限に活かす材料開発技術。この技術を使い、ゴムの剛性を高める補強材成分シリカと、その周りに集まりクッションの役割を果たす軟化剤のバランスを最適化させ、マクロ領域での剛性とナノ領域での柔軟性を実現したという。

同社タイヤ技術本部第一技術部の川崎雄三氏によると、破壊特性に優れる新高分子ポリマーを使用することによってロングライフも実現しているという。従来品から不使用となった材料、今回新たに加えた材料と、最終的にはほぼ変わらずのコストになったという。唯一重さのみ従来品より数百グラム重くなったそうだが「あらゆる性能どれもが向上しています。是非乗って確かめて頂きたい。絶対違うと自信を持って言えるタイヤです」と新製品をアピールした。

《山本 一雄》

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