帝国データバンクは、経営危機の懸念が高まっている「シャープ」グループと直接取引があり、同グループを主要取引先とする国内企業を抽出し、業種別、都道府県別、年売上高別に調査・分析した。
同社がシャープグループとの取引先を調査したのは今回が初めて。
調査結果によると、シャープグループと直接取引があり、同グループを主要取引先とする国内企業は全業種合計で5687社を数えることが判明した。今後、シャープグループの業績動向、国内生産拠点の再編策次第によっては、全国各地の取引先や地域経済に対し、少なからず影響を及ぼす可能性がある。
業種別に見ると、産業用電気機器、事務用機械器具などの「卸売業」が1934社と最も多く、全体の34.0%を占めた。以下、電子部品、電気計測器、半導体製造装置などの「製造業」が1102社、ソフト受託開発、パッケージソフト業などの「サービス業」が1043社だった。
都道府県別に見ると「東京都」が1417社、全体の24.9%を占めトップ。2位は堺工場、八尾工場などがある「大阪府」で940社、3位は「神奈川県」の261社が続いた。
主な国内生産拠点のある県を見ると、福山工場、三原工場などがある「広島県」は134社で10位。栃木工場のある「栃木県」は102社で12位となった。天理工場、葛城工場のある「奈良県」が101社で14位、亀山工場、三重工場のある「三重県」が93社で16位となっている。
年間売上高別に見ると「1億円以上10億円未満」が2539社で最も多く、「1億円未満」も978社と、小規模企業が目立った。「1000億円以上」が156社、「100億円以上1000億円未満」が477社となり、年商100億円以上の取引先も計600社を超えていることが分かった。
シャープは経営不振から5000人規模の人員削減や、テレビ組み立ての栃木工場と太陽電池生産の葛城工場の2工場縮小を決めたほか、今後も事業売却など、一段のリストラを加速する見通し。帝国データバンクでは、シャープグループの業績動向、国内生産拠点の再編策次第では、今回の調査で明らかとなった直接取引先、間接取引を含め全国各地の取引先への影響拡大が懸念されると指摘する。