デンソー、アイドルストップ中の室温上昇を抑制する新型エバポレーターを開発

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新開発の蓄冷エバポレーター
新開発の蓄冷エバポレーター 全 2 枚 拡大写真

デンソーは、アイドルストップの際にエンジンが停止した状態でも車室内の温度上昇の抑制を可能とする新型エバポレーター「蓄冷エバポレーター(CSエバポレーター)」を開発したと発表した。

エバポレーターとは、エンジンの動力で作動するエアコンサイクルの構成部品で、冷たい冷媒が暖かい空気と熱交換を行い、車室内への冷気の供給、除湿などを行う。今回開発したCSエバポレーターは熱交換部分に蓄冷材を備え、エアコン作動時に蓄冷しておくことで、エンジン停止時にも車室内に冷気を供給し、車室内の温度上昇を抑制する。

今回開発したCSエバポレーター搭載のエアコンシステムは、アイドルストップ中の車室内の温度上昇を抑制するとともに、エアコン作動に伴うエンジン再始動までの時間を長く保つことができるため、快適性能を維持しつつ、燃費の向上にも貢献する。

CSエバポレーターは、エバポレーター本体の基本構造・体格は従来のまま、デンソー独自の工夫による高性能化を図り、素早く蓄冷し、ゆっくりと冷気を放出することを可能にした。

具体的には、蓄冷材を封入した蓄冷ケースの中にインナーフィンを設け、蓄冷・放冷性能を向上。蓄冷ケースを冷たい冷媒が通るチューブの間に挟むことで、エアコンサイクル作動中には冷媒チューブから蓄冷材に直接、かつ効率的に蓄冷することができ、またエアコンサイクル停止中は、蓄冷ケースから冷媒チューブに接続したアウターフィンを通じ、よりゆっくりと放冷が行われる。このため、比較的短い走行時間でも蓄冷が完了し、それと同時に冷風をより長い時間、室内に放出することができる。

同製品は、スズキから9月6日に発売されたワゴンRに搭載されている。

《纐纈敏也@DAYS》

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