トヨタ×グランツーリスモ…現実と仮想を結びつける新技術[動画]

自動車 テクノロジー ネット
トヨタとデンソーが共同開発したCAN-Gateway ECU
トヨタとデンソーが共同開発したCAN-Gateway ECU 全 3 枚 拡大写真

トヨタ自動車は「グランツーリスモ」と共同開発する「実車走行データからのCG再現技術」の体験試乗会を開催。同技術は、自動車の車両制御に用いられるCAN情報とGPSの位置情報を用いて、現実世界における実車の走行を「グランツーリスモ」上でリアルタイムにビジュアライズしようというものだ。

同技術を実現するために、トヨタとデンソーが共同開発した『CAN-Gateway ECU』が採用された。クルマに装備したCAN-Gateway ECUは、走行中の車両から、GPS信号、アクセルペダルストローク、ステアリング回転角、ブレーキ操作信号、シフト操作信号、エンジン回転数、車速など自分の走行データを受信する。

今回の試乗会では、CAN情報と位置情報をUSBメモリに書き出し、その情報を「グランツーリスモ」のシミュレーションエンジンに読み込ませ、「グランツーリスモ」のリプレイ映像としてビジュアライズするようすが披露された。

「グランツーリスモ」上で実車の走行シーンを再現できることで、サーキットでのライン取り、ブレーキやアクセルの踏み込みタイミングなど自分の走りや運転テクニックをゲーム上で再現して学習できるので、運転技術の上達にも結びつく。さらに、将来的には現実世界のマシンとバーチャルな世界のマシンが、リアルタイムでバトルを楽しむといったことなども可能となりそうな技術である。

同試乗会では筆者も86に試乗、86と言えばやっぱりドリフト!?、“華麗にドリフトを決めたい”とグランツーリスモ5でドリフトを事前に練習して試乗会にのぞんでみた。

試乗で与えられたチャンスは2周、試乗車の86はオートマチックで2ペダル、シフト操作はステアリングにパドルシフトが用意されているので、練習環境と一緒。実車に装備される横滑り防止装置は「VSCスポーツ」モードで、まずはプロドライバーの隣に載ってコースを下見した。

グランツーリスモ上で86をドリフトさせるには、自分流ではあるが●クリッピングポイントにめがけてステアリングを切る、●重心が横に移ったところでアクセルオフ、●重心が横・前に移ったところでシフトダウン(3速であったら2速へ、グリップの高いタイヤではスライドのきっかけとして軽くポンとブレーキを踏むことが必要)、と行った手順でドリフトに持ち込めるのであるが、現実世界では果たしてどうなるかが心配であった…。

詳細は動画で確認してほしいが、現実世界は甘くはなかった。現実のサーキット走行に舞い上がってしまい、ドリフト走行どころではなかった。ドリフトしようと思ってもいない2コーナーでお尻が出てびっくり、VSCの介入がおそらくあったと思われるが、ことなきを得た。

ただ、現実世界でも練習を重ねれば、ゲームでできた走行を現実世界でも再現できそうな印象。ゲームの世界と現実世界のクルマの挙動がほぼ一緒なのは「グランツーリスモ」の完成度の高さなのだろう。ゲームで走り込めば走り込むほど、現実のドライビングテクニックにもいい影響がありそうな印象を受けた。



《》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 【スズキ ソリオ 新型試乗】乗り心地と静粛性はクラストップ、だが「損をしている」と思うのは…中村孝仁
  2. 伝説のACコブラが復活、「GTロードスター」量産開始
  3. サブコンが再評価される理由と純正ECU時代の新常識~カスタムHOW TO~
  4. ホンダ『スーパーEV』世界初公開へ、小型EVで「運転の楽しさ」提案
  5. 「欧州のカローラになりそう」ルノーの最新ハイブリッドコンパクトに日本のファンも熱視線!
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. BYD、認定中古車にも「10年30万km」バッテリーSoH保証適用
  2. 三菱が次世代SUVを初公開、『DSTコンセプト』市販版は年内デビューへ
  3. 低速の自動運転遠隔サポートシステム、日本主導で国際規格が世界初制定
  4. 米国EV市場の課題と消費者意識、充電インフラが最大の懸念…J.D.パワー調査
  5. 独自工会、EV減速でPHEVに着目、CNモビリティ実現へ10項目計画発表
ランキングをもっと見る