ダイハツ『コペン』の生産が8月31日をもって終了した。コペンは2002年の発売以来、現行唯一の軽スポーツとして孤軍奮闘してきたが、今回の生産終了により、軽スポーツの時代には一旦終止符が打たれることとなった。
コペン最大の特徴は、軽自動車としては初の電動開閉式ルーフを持つことにある。これはVW『イオス』やミニ『ミニ コンバーチブル』などのルーフシステムを手がける独OASys社の手によるもので、約20秒で開閉を行う。
また、エンジンには、現在ではコペン専用となっている直列4気筒DOHCツインスクロールエンジンを搭載。高回転まで吹け上がるこのエンジンによって、コペンはスポーツカーとしての地位を得たと言える。さらに、ボディ塗装には、クリア塗装を2度行うダブルクリアー塗装を採用しており、より深みのある光沢をもったボディカラーを実現している。
このように、実用車が全盛の軽自動車において独自の路線を歩んでいたコペンであるが、販売台数の減少などを理由に生産を終了することとなった。圧倒的な低燃費や軽自動車の常識を超えた室内空間などがアピールされる現在の軽自動車界において、15.2/km(4AT:JC08モード)というカタログ燃費や、2人乗りである上に収納も皆無なコペンは、時代の流れにそぐわなかったのかもしれない。
しかし、軽スポーツの根が完全に絶やされたわけではない。ダイハツが東京モーターショー11でコペンの後継車とも噂される『D-X』を出展しただけでなく、かつて同じく軽スポーツである『ビート』を生産していたホンダが軽スポーツの開発に着手したとの報道がなされるなど、将来的に軽スポーツが復活する可能性は十分あると言えそうだ。