トヨタ、環境技術開発の取り組みと展開計画を公表…新型EV「eQ」開発 など

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トヨタ自動車は、燃費向上・エミッション低減に向けた「省エネルギー」、電気や水素をなど代替エネルギーの利用促進による「燃料の多様化」を基本方針として環境技術開発を進めており、9月24日、最新の開発状況と2015年までの展開計画を公表した。

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「省エネルギー」への取り組みでは、新開発ガソリンエンジン、高性能クリーンディーゼルエンジンや高効率トランスミッションの開発状況を公開。ガソリンエンジンでは、世界最高の最大熱効率38.5%を追求した新型「2.5リットル-AR系エンジン」を搭載したHVを2013年以降に、新型「2.0リットル-AR系ターボチャージャー付きエンジン」搭載車を、2014年以降に市場投入すると発表した。

ディーゼルエンジンでは、欧州「EURO6」に対応する乗用車用「1.4リットル-ND系エンジン」を2015年以降に市場投入。高圧で高い噴射精度を維持するシステム「i-ART」を採用し、低燃費と低エミッションを実現した商用車用「3.0リットル-KD系エンジン」は、2012年4月からブラジル向け『ハイラックス』に搭載を開始している。

トランスミッションでは、優れた燃費性能と軽快な加速を両立した無段変速機「Super CVT-i」を新開発。2012年6月から日本向け『カローラ』に搭載しており、今後、コンパクトクラスを中心に搭載車種を拡大していく。また、高い変速応答性との小型・軽量化を実現したFF用8速ATを新開発。2012年8月から北米向けレクサス『RX 350 F SPORT』に搭載を開始している。

エコカーについては、今後、2015年末までの約3年間で、新型ハイブリッド車(HV)を21モデル投入することを公表。同社では、2013年以降2015年までの年間HV世界販売台数を毎年100万台以上と見込んでいる。

「燃料多様化」への取り組みでは、高性能コンパクトEV『eQ』を開発。消費電力の高効率化を追求し、コンパクトなパッケージに容量を最小限に抑えた高出力の新型リチウムイオン電池を搭載し、世界最高の電費104Wh/kmを実現。これにより、12kWhの小容量電池ながら、一充電走行距離100km、最高速度125km/hを達成。また、満充電は、AC200Vで約3時間という短時間で可能。2012年12月以降、日本と米国において、自治体や特定利用者向けの限定導入を開始する。

2015年頃からの市場導入を予定しているセダンタイプのFCVは、自社開発のFCスタックの性能が大幅に向上し、出力密度は、現行モデルの『FCHV-adv』に比べ2倍以上となり、世界最高の3kW/リットルを達成。小型・軽量化も進み、約1/2にまでコンパクト化。さらに、高効率の昇圧コンバーターを開発。高電圧化により、モーターの小型化とFCセルの枚数削減を可能とし、FCシステムの小型・高性能化とシステムコストの低減に寄与する。

また、日野自動車と共同で開発を進めている新型FCバスの投入計画を公表。2016年の市場導入を目指し、開発を進めていく。

高性能化が不可欠とされる次世代二次電池は、専門部署を設置して研究を推進。全固体電池において、電解質性能が世界最高レベルの新たな固体電解質を開発。イオンの流れやすさを向上させることに成功し、出力密度を5倍に向上させた。

さらに、コイルの間を通る磁束の強さの変化と磁場の共振現象を利用して電力を伝送する非接触充電の技術開発も進めており、実際の使用環境での性能を評価するために、2013 年に愛知県豊田市で実証実験を行う。

《纐纈敏也@DAYS》

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